【菊花賞】2馬身差完敗もエリキング②着
公開日:2025年10月27日 14:00 更新日:2025年10月27日 14:00
種牡馬、厩舎の殻を破った
エネルジコ快勝に対して②着だったのが2番人気のエリキングだ。
ゴールではライバルに2馬身差で悲願のクラシック戴冠とはいかなかったが、先々を思えば価値ありではないか。
エリキングの父はキズナ。これまで多くの活躍馬を出していても、二千四百メートル以上のGⅠではこれまで〈0・5・4・41〉と実はいまだ勝ち星はなし。明らかに距離の壁を感じる結果が続いていた。
それは血統面だけでなく、陣営もそうだったかもしれない。
管理するのはトップステーブルの中内田厩舎。ファンも周知の通り、中内田厩舎のイメージといえば抜群の勝ち上がりを誇る2歳戦、そして距離レンジでいえば土曜東京のアルテミスSをフィロステファニで制したように、何と言ってもマイルでの強さだろう。
逆に距離が延びてこそのイメージはなく、実際に、これだけ勝ち星を量産する厩舎でありながらも、二千四百メートル以上では開業以来、昨年までは通算6勝しか挙げていないほどだった。
それが三千メートルの長丁場も何のその。②着に負けたとはいえ、いい伸び脚を披露してみせた。
「精いっぱい頑張って走ってくれましたが、1頭いましたね」
そう話したのはレース後の川田。納得の体のようだが、まさに種牡馬、そして厩舎の殻をブチ破った走りではないだろうか。今後はトップステーブルにこれまでいなかった長距離砲として、存在感が増すことは間違いない。負けても収穫大のクラシック最終戦だったと言えよう。

























