【スプリンターズS】8歳ウインカーネリアン&デビュー18年目の三浦が待ちに待ったGⅠ初制覇

公開日:2025年9月29日 14:00 更新日:2025年9月29日 14:00

秋GⅠシリーズ開幕戦は大荒れ

 25年秋のGⅠシリーズはいきなり大波乱で始まった。

 大外枠を引いた8歳馬の11番人気ウインカーネリアンが勝利し、②着は7番人気の武豊ジューンブレア。③着には2番人気のナムラクレアが突っ込んだものの、馬単は11万9920円、3連単にいたっては130万1150円である。

 今回の勝利は別掲の通り、展開や馬場に左右された面が大きいことは否めないが、勝って不思議ない実力は備えていた。

 古くは20年の皐月賞でコントレイルの④着。その後、マイル路線で22年関屋記念、23年東京新聞杯を制したが、本格的にスプリント路線に転じたのは昨秋の京阪杯から。今春はドバイでアルクオーツスプリントに参戦して、“勝つか”のシーンをつくっての②着。世界の舞台で善戦したという意味では、サトノレーヴに遜色ない実績はあったのだ。

 父スクリーンヒーローも鹿戸師の管理馬。4歳秋にジャパンCを制し、産駒にも晩成タイプが多いが、8歳にしてのGⅠ初制覇には驚かされる。師が「調教師冥利に尽きる」というのも納得だ。

 また、鞍上の三浦は厩舎の所属。デビューした08年に91勝し、武豊の記録を大幅に更新。14年にディアドムスで全日本2歳優駿を制覇して“JpnⅠ”には手が届いた。しかし、16年8月の札幌で落馬負傷し、1年の休養。23年6月にJRA1000勝を達成しても、GⅠは遠かった。

 今年デビュー18年目、JRAのGⅠは127戦目。若い頃の実績、腕を思えば遅すぎるくらいである。

 ウインカーネリアンは8歳とあって、次走については「回復にも時間がかかるし、馬とオーナーと相談して」とのことだが、三浦の方はこれからどんどんいいサイクルに入る可能性もある。

 勝利インタビュー後に皇成コールが起こったように人気のあるジョッキー。これを機にさらにいい馬が回ってくれば、2度目のGⅠ勝ちは意外なほど早いかもしれない。

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間