【スプリンターズS】波乱を呼んだレジェンドの逃げ

公開日:2025年9月29日 14:00 更新日:2025年9月29日 14:00

歴代最大差の後傾ラップで人気馬の末脚を封印

 大波乱に終わった今年のスプリンターズS。その要因は名手の逃げだったと言えよう。頭差の②着に終わったジューンブレアだ。

 前半はさすが武豊ではなかったか。好発を決めると、ハナに立ってマイペースでレースを支配。スタート直後を1F12秒0で入ると、その後は10秒7―11秒0だ。結局、前半3Fを33秒7にまで落とし込んでいた。

 時計が出る今の中山でこのラップなら後半は全く落ちるところはなく、ラスト3Fは33秒2。実に「0秒5差」の後傾ラップとなった。

 スプリンターズSの歴史でも先行馬に有利な後半3Fの方が速い後傾ラップは過去に2回しかなかった。それも15年が0秒1差で、17年が0秒2差だった。そう、今年の0秒5差はこれまでになかったほどの異常なラップ差で、こうなると前が止まらないのは当たり前だ。2番手から抜け出したウインカーネリアンと逃げたジューンブレアのワン・ツーも納得するしかない展開だった。

 これに持ち味を封じ込められて、末脚不発に終わったのが人気の差し馬勢だ。

 1番人気サトノレーヴは4角7番手から差を詰めたものの、④着が精いっぱい。さらに2番人気ナムラクレアはメンバー最速のラスト3F32秒7をマークしても、1馬身半差と惜しくもない③着止まりという結果に。そのナムラは3年連続の③着で、10度目のGⅠ挑戦も実らなかった。

 ともあれ、名手の逃げが大きなキーポイントになった秋GⅠの開幕戦だった。

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