【キーンランドC】パンジャタワーこの強さは本物

公開日:2025年8月25日 14:00 更新日:2025年8月25日 14:55

57㌔を背負って外を回して突き抜ける

 これぞGⅠ馬の貫禄勝ちだ。きのうのキーンランドCを制した3歳パンジャタワーである。

 春はNHKマイルCを差し切ってビッグタイトルを手にしたが、ここも勢いそのままに初対戦の古馬勢をねじ伏せた。これが強い内容だった。

 実際にこのキーンランドCを制した3歳馬は数少ない。07年クーヴェルチュール、16年ブランボヌール、21年レイハリアの3頭に続く勝利だが、前記3頭はいずれも牝馬で、3歳牡馬としては初勝利でもあった。

 ここにひとつ価値はあるが、斤量面を踏まえるとさらに評価を上げていい。前記の牝馬勢は51キロで挑み、アローワンスを生かした勝利であったからだ。今回のパンジャは基本斤量55キロ+GⅠ勝ちの2キロ増で57キロ。古馬と同斤量でありながら、メンバー唯一、34秒を切る上がり3F33秒9の脚を繰り出せた。父タワーオブロンドンで秘めた短距離の資質が顔をのぞかせたとも言えるが、明らかに脚力が一枚上であったことを証明した。

 まさに前途洋々。秋スプリンターズSへの優先出走権を獲得する勝利ともなったが、陣営は戦前のアナウンス通りに11月1日の豪ゴールデンイーグル(ローズヒルガーデンズ競馬場)を目指すことを明言した。

 2年前にオオバンブルマイが制して話題となったレースで①着賞金は何と525万豪ドル。日本円にして約5億円だ。北半球産馬は南半球産よりも1キロ軽い56・5キロで出走できるから、今回のパンジャの勝ち方なら、期待も大きくなる。

 栗東へ帰厩し、函館、札幌と移動を重ねた調整で結果を出したこの中間を思えば、初海外での環境の変化にも順応できるだろう。いろんな角度から見ても、秋の世界戦に向けて大きな1勝となった。

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