来年から2歳重賞の賞金増額で問われる1勝クラス、オープン特別の存在意義

公開日:2025年11月20日 14:00 更新日:2025年11月20日 14:00

 3日間競馬のオーラスを飾るのが月曜(祝日)のGⅡ東京スポーツ杯2歳S。昨年の勝ち馬クロワデュノールはダービー馬となったように、毎年、素質馬が揃うレースだ。

 今年も6月に同じ東京千八の新馬戦を逃げ切ったダノンヒストリー、同じく6月に阪神芝千八の新馬戦を逃げ切ったサレジオ、サウジアラビアロイヤルC③着のゾロアストロ、ルメール騎乗のパントルナイーフ……。

 その東スポ杯の①着賞金は3800万円。20年までは3300万円だったが、翌年からのGⅡ昇格で増額された。

 その賞金が来年、さらに上がることになる。

 JRAは18日に26年度の事業計画案、収支予算案を発表。その中に盛り込まれているのが2歳戦の賞金額アップである。

 朝日杯FS、ホープフルSは7000万円から8000万円に。阪神ジュベナイルFも6500万円→7500万円に。

 そして2歳重賞は、GⅡ、GⅢを含めた全14競走がすべて増額される。となると、考えられるのは3歳のGⅠにおける出走ボーダーラインのアップである。

 昨年の東スポ杯を勝ったクロワデュノールは当時、新馬戦①着からの休み明けで本賞金は400万円。このレースも制して①着賞金3800万円の半額である1900万円を加算し、2300万円となって暮れのホープフルSに進んだ。

 ②着サトノシャイニングは1500万円の半額加算で、400万円から1150万円となった。だが、賞金増なら、この数字はさらに上になる。

 ただ、2歳秋は重賞といえどもほぼ1勝馬の集まり。メンバーの質の違いはあれど、1勝クラスでも、オープン特別でも状況はほぼ同じである。

 しかし、1勝クラスを勝っても400万円から500万円の定額加算で900万円になるだけ。オープン特別(リステッド)なら勝てば1勝馬なら、400万円に800万円の加算で1200万円となるが、重賞とは違い、②着の加算はない。

 となれば、加算額の大きい重賞は頭数が揃っても、1勝クラス、オープン特別は敬遠されてしまう。今でも芝の千八以上は9頭以下ばかりだ。今月2日、東京・百日草特別(1勝クラス)は5頭立て、先週の京都・黄菊賞(1勝クラス)も8頭立てだった。

 東スポ杯は現時点で14頭立ての予定だが、一方で日曜9R、牝馬限定の2歳1勝クラスの赤松賞は8頭以下。今後、2歳秋の1勝クラス、オープン特別は存在意義を問われそうだ。

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