日曜新潟で行われた新潟2歳Sはリアライズシリウスが2番手追走から直線で早めに抜け出し。②着に4馬身差の完勝だった。父は新種馬ポエティックフレアで、新種牡馬の産駒が新潟2歳Sを制するのは10年テレグノシス産駒のマイネイザベル以来15年ぶり。ちなみに②着タイセイボーグはインディチャンプ産駒で新種牡馬のワン・ツー決着となった。
個人的に反省しかないレースだ。というのも、ポエティックフレアはこのコラムで気になる種牡馬として何度か取り上げており、リアライズが勝った時にも少し触れている。さらにもう1頭注目の新種牡馬として取り上げたのがインディチャンプ……。その2頭のワン・ツーで決まっておきながら印は外しているのだから情けない。
気を取り直して回顧を。
まず勝ったリアライズシリウス。初戦が稍重の馬場で逃げ切り。今回は良馬場でレースの上がり33秒7の決め手勝負。勝ち時計の1分33秒4はレコードと0秒1差だから時計の速い上がり勝負に対応できた点は評価できる。
ポエティックフレアはガリレオの血を引く欧州型だが、欧州のマイルGⅠを好時計で勝ち上がっている。この辺がタフな馬場にも時計勝負にも対応できている要因か。
今後は距離を克服できるがカギとなってくるが、リアライズに関してはその点もクリアしてきそうな印象。というのも母の父がステイゴールドで母の半兄にはアルゼンチン共和国杯勝ち馬のルルーシュがいる。父も前記の通りガリレオの血を引いており潜在的なスタミナはありそうなタイプだけに、単純なマイラーで終わることはないのではないか。
②着タイセイボーグは上がり33秒4で②着だったダリア賞に続き、今回も33秒1で②着。インディチャンプ産駒はステイゴールド系で切れるイメージではないだろうと思っていただけに、この2戦の結果には驚いている。こちらもステイゴールド産駒の半兄ダノンキングダムが千八~二千四百fで5勝。この血統構成なら距離延長にも対応できそうだ。
皐月賞馬ミュージアムマイルの半妹フェスティバルヒルが③着。この兄妹は父の父がキンカメ系で父の母がシーザリオと血統構成がほぼ同じなのだが、ミュージアムの父リオンディーズの産駒は中山で最多の勝ち鞍を挙げている。一方、フェスティバルの父サートゥルナーリアの産駒は東京、中京と直線の長いコースで勝ち鞍が目立つ。牝馬でより瞬発力勝負向きになっている印象だ。
今回は他馬と接触して後方からになったのが厳しかったが、上がり3Fはメンバー最速の32秒5と素質の片鱗は見せている。高速馬場で決め手を生かせる舞台が最適な馬だろう。
新馬戦は土日の札幌に注目
日曜札幌のキーンランドCはパンジャタワーがGⅠ馬の貫録を見せつけてのV。3歳馬ながら古馬と同じ57㌔を背負って勝ち切ったから力が違ったか。
NHKマイルC勝ち馬ではあるが父がスプリンターのタワーオブロンドン。産駒は通算23勝のうち21勝までが7F戦と極端にスピード寄り。母クラークデスールもマキャヴェリアンの3×3のクロスがあるから本質的はスプリンタータイプ。得意の条件に戻って本領発揮したということだ。
②着はペアポルックスは父が平坦向きのキンシャサノキセキで、祖母イルバチオがアイビスSDの勝ち馬。良馬場で勝ち時計は1分8秒2と時計勝負になったのことが良かったのだろう。
3連勝中だったカルプスペルシュは③着。連勝は止まったものの勝ち馬と0秒2差なら上々。前走から中3週でプラス20㌔はシュヴァルグラン産駒らしくグングン力をつけているということ。祖母は豪州でGⅠ4勝のモシーンで母の半姉にはプリモシーンがいる血筋だけに、3歳秋はさらなる飛躍を迎えそうだ。
ここからは新馬戦を。
まずは土曜札幌5Rを勝ち上がったグリオンヴール。この馬は関西版の紙面にのみ掲載の「次走の狙い馬」でも触れているのだが、伯父は英国でGⅠ2勝を挙げ、種牡馬入りしているテンソヴリンズ。ノーザンファーム産のエピファネイア産駒ということで期待値が高い1頭だった。レースでは②着に7馬身差だからモノが違った感じ。クラシックに強いエピファ産駒だけに来年が楽しみな1頭だ。
日曜の札幌ではミスティックレナンが逃げ切り。
GⅠ4勝を挙げたクラックスマンの産駒。父はフランケル直子で現役時代は堅い馬場のスピード勝負を苦手としてので、日本馬場にマッチするかがポイントだったが、まずは及第点。今後さらに時計が速くなった時がどうかをしっかりと見極めていきたい。