【フラワーC】パラディレーヌは令和ギャル!? 不安と期待が混じる重賞初挑戦

公開日:2025年3月20日 12:00 更新日:2025年3月20日 17:56

千田調教師は牝馬全盛期の伊藤雄二厩舎から昭和最後の騎手としてデビュー

「自分たちの時代は昭和の牝馬だったから。パラディレーヌは令和らしい牝馬かもしれないね」

 土曜中山のフラワーCに管理馬を出走させる千田師からこんなコメントが出た。

 昭和、平成ときて令和。同師は、関西の名門と言われた伊藤雄二厩舎の所属として1988年に騎手デビューをしている。翌年1月8日から平成に元号がうつったから、昭和最後のジョッキーでもあるのだ。

 師が若手騎手の相称〝あんちゃん〟と呼ばれた時代の伊藤雄厩舎は、活躍馬の宝庫だった。牝馬でいえば、牝馬2冠のマックスビューティ、桜花賞馬シャダイカグラに安田記念、スプリンターズSを勝ったダイイチルビーに、自身も騎乗して騎手として重賞初勝利を飾ったスカーレットブーケ(京都牝馬特別)や、O・ペリエとのコンビのワコーチカコや、名門初のサンデーサイレンス牝馬プライムステージがいた。昭和の終わりから平成初期の時代。ハイレベルな牝馬たちと身近に接してきた。

「雄先生(伊藤雄師)の当時の走る牝馬は皆、ビュンと切れたし、何というのかな、人を寄せ付けないようなお嬢様感があった。(パラディレーヌは)馬房でいつもワチャワチャしてるし、馬場に出ればワーイと遊びたがる。今まで見てきた牝馬とはちょっとタイプが違うんだよね」

 こう笑って、ここから冒頭のセリフとなった。

「いい意味で裏切って、牝馬情報をアップデートしてほしい」(千田調教師)

「中3週で輸送競馬。荒れた馬場はこなせるタイプだけど、中山コースはトリッキーで他頭数の競馬にもなる。正直、不安要素は多いかな。

ただ、今週でも馬なりで(Cウッド1F)10秒8で動けたほどで脚力は確か。能力で何とかしてくれないかな。いい意味で裏切って、牝馬情報をアップデートしてほしい(笑い)」

 最後に面白い表現で期待感を口にした。

 初勝利となった2走前の牝馬限定戦で4馬身、牡馬相手の前走、つばき賞で後続を3馬身も突き放してきたから力はある。

 師いわく、令和ギャルのパラディレーヌ。実はその馬名はフランス語で「楽園の女王」を意味する。普段の快活なしぐさは〝現代風お嬢様〟でもあり、実は名は体を表しているのかもしれない。勝てばクラシックが見える一戦でどんな走りをするのか。勝った時にウィットに富むトレーナーがどう表現するのか。ここにも興味深さがある。

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