南関東大井所属の松浦裕之調教師。ゴルフやパーティーなど、実は競馬場以外でお会いすることも多く、会うたびに〝ここへの登場をお願いできないかなあ〟と考えていました。
昨年の12月、久々に行った香港国際競走の取材へ。日本馬が出走するレースの合間に検量室前とプレスの控え室を往復しバタバタとしている私の目の前に現れたのは、よく食事会などで一緒になる競馬ファンの方。「やだー! 来てたの?」と声をかけたら、「いやいや、僕たちは毎年来てるんですよ。ていうか目黒さんこそ来てたんですね」。こんなやりとりをするうちに「大井の松浦さんと来ている」とのこと。え! マジ! 会いに行くには絶好の機会。しかしプレスの通行章ではきっと入れない指定席エリア。そして何より次のレースの準備もしなくちゃいけない……。「今度さ、取材お願いしたいって言っといてくれる?」となんとも図々しいお願いをしてしまいました。
「いいですよ。たぶん大丈夫だと思います」。そんなこんなでつい先日いよいよ勇気をもって電話でアポイントをとらせていただきました。お互いにそれほど遠くないファミレスでお話を伺いました。
待ち合わせして現れた松浦調教師は春らしいチェックのコートで素材は少し硬めの生地。ジーンズも幅広にロールアップされて思わず「かわいい」と言っちゃいそうなスタイルで現れた松浦調教師。このあたりも今回は聞いちゃおうと思っています。
松浦裕之調教師は南関東・大井の松浦備調教師を父にもち、生まれた時から馬が当たり前にそばにいる環境で育ちました。
「このまま競馬の世界に入っていくことに抵抗はなかった」といいます。
しかし「でも大学は行きたくて。僕、結構な進学校だったんですよ。ほとんどが大学に進学する環境だったし」。ところが、ちょっとした手違いというか解釈の違いで大学受験ができないことになってしまいます。
「途方に暮れました。もうどうしようと思って」。その理由というのは今では考えられない理由です。
しかし当時はそれに従わなければならない。随分落ち込んでいた時に……
(続きは3月26日に更新)
競馬キャスター
テレビ東京の「土曜競馬中継」などでリポーターを務め、競馬サークルに幅広い人脈をもつ。YouTubeの「日刊ゲンダイ競馬予想」で武田、大谷記者とともに出演。また、毎週水曜には「目黒貴子のアツアツ交遊録」を連載中。