【サウジC】米国2騎、ドバイWC馬の回避で日本馬に追い風が吹く また快挙はなるか

公開日:2025年2月20日 14:00 更新日:2025年2月21日 10:59

 フェブラリーSよりも一足早く行われるのが、注目のサウジCデー。重賞6競走にJRAからは17頭、さらに園田のイグナイターを含めて18頭もの馬が出走する。

 注目レースが目白押しの一日だが、JRAによる海外馬券の発売はメインのサウジCのみ。このレースの構図は日本馬VS香港ロマンチックウォリアーのようだ。

 サウジCに出走する日本馬は4頭。ウィルソンテソーロ、ウシュバテソーロ、フォーエバーヤング、ラムジェットだ。

 ウシュバテソーロは昨年の②着馬で、フォーエバーヤングはサウジダービー勝ち。ウィルソンテソーロはここは使っていないが、ドバイワールドCに出走して④着。ラムジェットは今回が初の海外遠征だ。

 ドバイと同様、現地での馬券発売は行われないが、海外ブックメーカーではフォーエバーヤングが1番人気。これは海外の強豪が次々と回避したこともあるだろう。

 今月上旬、アメリカのシエラレオーネ(昨年のBCクラシック馬)、ホワイトアバリオ(23年のBCクラシック馬)が遠征を取りやめ。また、昨年のドバイワールドCで8馬身半差の圧勝を演じたローレルリバーも、予定していた追い切りができなかったため、回避を決めた。

 23年にはパンサラッサが逃げ切りを決め、①着賞金13億円余りを手にした。賞金自体は今年も当時と同じ1000万米ドルだが、周知のようにさらに円安が進んでいる。

 フランスギャロが年初に25年の為替レートを発表。JRAの賞金換算はこれに従うため、1米ドルは157・024円で計算。つまり、今年のサウジCの①着賞金は日本円で約15億7000万円となる。

 本来、中東のダートGⅠは米国の強豪に日本馬がどう挑むのかが焦点になるが、今年はBCクラシックで③着だったフォーエバーヤングが主役を務めることに。矢作厩舎はパンサラッサに次ぐ勝利を挙げるのか、それとも……。

最大の敵ロマンチックウォリアーはすでに血統の壁を越えている

 最大の敵となるのは香港の最強馬ロマンチックウォリアーで間違いないところ。

 昨年の安田記念で日本馬を一蹴。ずっと二千メートルを主体として使っていただけに、距離への不安や高速馬場への適性が懸念されたものの、あっさりと覆したことはまだ記憶に新しい。

 その後は3戦を消化してすべて勝利。昨年11月のGⅡジョッキークラブCを制して、続くGⅠ香港Cではリバティアイランドを退けた。

 年明けはドバイへ。GⅠジェベルハッタに出走して千八1分45秒10のレコード勝ち。その勢いは衰えるどころか、増すばかりだ。

 今回は一にも二にも、初のダート戦ということに尽きるだろう。陣営は香港Cの前から、サウジCへの挑戦を表明。すでに日本円で36億円ほどを獲得し、同じ香港のゴールデンシックスティを抜いて史上最多獲得賞金馬に。これでサウジCを勝つようなら、日本円で50億円を超えるとんでもないことになる。

 すでに18日、舞台となるキングアブドゥルアジーズ競馬場のダートで主戦・マクドナルドを背に追い切りを消化。ド迫力の動きを見せた。

 血統は父が日本ではなじみの薄いアクラメーション、母の父がストリートクライ。父は重賞勝ちが03年、英国のGⅡダイアデムSのみで、これはアスコットの芝6F。ダートの“ダ”の字もないうえに、二千メートルをこなしていること自体が不思議だが、ストリートクライは米国馬で、02年にドバイワールドCを制している。この血がレース当日に騒げば……といったところか。

 昨秋、BCクラシックであのA・オブライエン厩舎が送り込んだシティオブトロイが⑧着。いくら芝で超一流でも、ダートとなるとまた別物ということ。

 すでに歴史に名を残すロマンチックウォリアーが、どのようなレースを見せるのか。少し気が早いが、25年世界の競馬における最大のハイライトかもしれない。

 発走は日本時間で23日(日)、午前2時40分の予定だ。

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