英GⅠフィリーズマイルを制したリッスンは日本で繁殖に入ると、タッチングスピーチやサトノルークスなどを輩出。近親には、昨年の阪神JFを勝ったアスコリピチェーノもいる。優秀な母にロードカナロアを配合したのが、この馬だ。ノーザンファーム空港の杉田佳祐氏に聞いた。
「きょうだいはどちらかというと、成長がゆっくりで秋デビューになることが多い。この馬もその特徴を受け継ぎ、馬格は平均的なサイズでありながら、トモの張りや力強さが足りず、前進気勢も欠くところがあって、あせらず調教を重ねたのです。すると、6月の本州移動の前になって、馬体に実が入ってきて、シャキッとしてきました。体に余裕ができたことで、気持ちもピリッとして前進気勢が出てきたのもプラス材料です」
先週、今週と2週続けてウッドで併せ馬。どちらも前半ゆったりと追走してしまいを伸ばす調教で反応は悪くないから、わずかな遅れは気にしなくていい。むしろ落ち着いてバランスのいい走りに注目だ。
「気性面の問題点はまったくなく、操縦性のよさがこの馬のセールスポイントです。カナロア産駒ですから、距離はマイルくらいがちょうどいい。あとは馬体がもっと成長すれば(現時点で460キロ前後)。古馬になって面白いタイプです」
半兄ミスタージーティー(父ドゥラメンテ)はデビューVから若葉S勝ちを経て、クラシック路線に乗った。この馬もここで結果を残すと、将来が楽しみになる。