亀井記者の血統ロックオン

先行力が戻って復活のジューンテイクは二千二百のスペシャリスト!?

公開日:2026年2月17日 07:00 更新日:2026年2月17日 07:00

 今年の京都記念はスローで流れた。向正面でも隊列はほぼ動かず、前後半の3Fが37秒7=33秒9と極端な後傾ラップに。結果、前で立ち回れた馬が優位だった。

 その展開を効率良く生かしたのが勝ったジューンテイク。以前は前で競馬を進めていたが、屈腱炎で長期休養明け以降はなかなか前に行けないレースが続いていた。それが今回は外枠からスムーズに2番手を取れたことが勝因だったか。

 母の父がロベルト系のシンボリクリスエスで機動力と持久力はあるタイプ。3歳時に今回と同じ京都二千二百の京都新聞杯を制した時もスローペースで④④⑤番手から抜け出している。父のキズナはストームキャットの血を持っており、パワータイプが多く荒れ馬場にも強い。今の馬場もマッチしたのだろう。

 これで二千二百㍍は<1201>。結果が出なかったのは長期休養明け2戦目で本調子ではなかった宝塚記念だけ。この距離のスペシャリストの可能性はありそうだ。

 ②着エリキングはもキズナ産駒だが母の父がハイシャパラル。母系は欧州スタミナ血統で、本来はもう少し流れてスタミナ勝負の方が合うタイプ。前走の菊花賞②着から距離短縮でレースも後方から。スローで前が止まらない展開では厳しかった。それでも脚は使っているように力は見せている。展開の差がそのまま着差に出た感じ。

 展開に泣いたのは2番人気のへデントールと4番人気のヨーホーレイクも。ともに4角11番手、9番手から⑧⑦着。ヘデンはルーラーシップ×ステイゴールドの長距離配合で久々の二千二百で戸惑いもあったか。距離延長で見直したい。

 ヨーホーレイクは持続力型を出す母系で、同馬はディープ産駒でも切れ切れのタイプではない。昨年、このレースを勝った時も⑤⑥④からの押し切り。今回のように後方からでは切れ負けしても仕方なし。ただ、これが初騎乗だったハマーハンセンのイメージが違ったのか、それも年齢でズブさが出てきているのか。次戦の内容には注目したい。

左回りの持続力勝負でリアライズシリウスが巻き返し、②着べレシートは距離が延びた本番で期待

 日曜の東京では共同通信杯が行われた。クラシックへの登竜門といわれるレースだけあって問われるのは一瞬のキレだけでなく、トップスピードの持続力と底力も求められる。今年もゴール前は大激戦となった。

 そのなかで押し切ったのは新種牡馬のポエティックフレア産駒のリアライズシリウスだ。

 父はガリレオ系でもマイラーで産駒は日本の芝での対応力を見せている。このコラムでも何度か書いているが、欠点は非常に受胎率が低いこと。それだけに産駒が初年度から走っているのが悩ましい。

 今回は2番手から早め先頭。東京でこの競馬を押し通せたのは、単なる前有利ではなく〝バテない血〟の裏付けがあるからだ。母の父ステイゴールドで持続力と成長力に優れた血。長く脚を使い続ける配合でスピード勝負の持久力戦で最もかみ合った印象。また、これで左回りは3戦3勝だからサウスポーの可能性はありそう。ただ、同産駒は現状、父同様のマイラーが多い印象。距離延長で真価を問われるのはこれから。同馬も母の父ステイゴールドで距離をこなせるかが今後の課題だろう。

 ②着ベレシートは母にGⅠ4勝のクロノジェネシスを持つ良血馬。上がりはメンバー最速の最速33秒0で上位に食い込んできたから、エピファネイア産駒らしいいい決め手を持っている。ただm配合的にはエピファネイア(ロベルト系)×バゴという重厚な組み合わせで、ロベルトの持続力にバゴの底力を併せ持つ印象。むしろ距離が延びていいイメージで、皐月賞のような持久戦やダービーで底力を問われる勝負でこそ真価を発揮するのでは。

③着はホープフルS勝ち馬のロブチェン。父は菊花賞馬ワールドプレミア。ディープ系だがスタミナ色が濃いタイプだ。母の父ジャイアンツコーズウェイから米国的なパワーやスピードを補完してる配合か。

 重馬場の京都二千でデビュー勝ち。前走が暮れの中山二千、今回が東京の千八と舞台に関わらず走れているのはそれだけ適性の幅が広いということ。爆発力では上位2頭に譲るイメージもあるが、総合力は高い。クラシック戦線でも大崩れしにくいタイプではないか。

 ④着ラヴェニューは父ロードカナロア×母の父ゴーストザッパー。母の父が中距離型で実際、この舞台を好時計で勝っているため本命にしたが、やや今回の内容は物足りなかった。このこのコラムでも書いたように、カナロア産駒は徐々にマイル型にシフトしてきている馬が多いのかも。同馬もスピードはあるだけに、一度マイル路線でどんな走りをするかを見てみたい気もする。

今年もクイーンCはノーザンF生産のデピュティミニスター内包馬がV

 土曜に東京で行われたクイーンCはドリームコアがV。母父ハービンジャー。父キズナ、母はヴィクトリアマイル、香港Cを制したノームコアという名牝系だが、今回、カギとなったのは祖母の父クロフネ=デピュティミニスター系の血だ。

 デピュティミニスター系は近年の東京マイルGⅠでも好走馬を多数送り出している。前2年のクイーンCでも、ともワン・ツーと同舞台での相性は抜群なのだ。パワーと持続力があり、直線の長い東京でも最後まで脚色が鈍らない。

 ドリームコアはこれで東京マイルは3戦3勝。単なる良血ではなく、血統構成そのものが東京とベストマッチなのだろう。加えてノーザンファーム生産馬はクイーンCで11連勝中。来年以降もノーザンF産でデピュティミニスター内包馬は真っ先に狙いたい組み合わせとなってくる。

 逆に1番人気で⑨着だったギャラボーグはロードカナロア産駒でも母の父がサドラーズウェルズ系のスラゴーベイとやや重厚な組み合わせ。前走は阪神JFで②着だったように、阪神、中山といった直線に急坂のあるコースの方がより力を出せるタイプなのだと思う。

②着ジッピーチューンはロードカナロア×シティジップでサンデーサイレンスの血を持たないスピード型の配合。マイルでもよく頑張っているが、本質的にはもう少し短い距離の方が合う印象はある。

 東京適性の高さなら③着のヒズマスターピースの方が②着馬より上か。東京巧者の多いスクリーンヒーロー産駒らしい持続型で、これで東京は2勝③着1回。やや晩成傾向のイメージもある配合だけに、今後が楽しみな1頭だ。

亀井辰之介

 競馬好きの父親の影響もあり、子供のころから競馬中継を一緒に観戦。最初は父親が馬券を当てるともらえる臨時の小遣いが目当てだったが(ただし、父は穴党だったため、あまり的中した記憶はない……)、ある日、シンボリルドルフといういかにも強そうな名前の馬が、強く勝つ姿に魅入られたのが競馬ファンになったはじまり。
 その後はテレビゲームの競馬ソフトにどっぷりハマり、今までに遊んできた競馬ゲームは数知れず。その時に競走馬の配合の奥深さを知り、血統に興味を持ったのが今の予想スタイルの根幹か。現在でもたまにゲームをたしなみ、好きだった競走馬の産駒を活躍させることが小さな喜び。
 予想スタイルはもちろん“血統”。各馬の血統を分析。得手、不得手を見極め得意条件に出走する時に狙い撃ち! 好配当を目指します。

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