【ファンタジーS】ハヤヤッコ、ソダシに続く3頭目の白毛重賞勝ち馬へ──。ゴージャスが狙うアイドルホースの座
公開日:2024年10月30日 14:00 更新日:2024年10月30日 14:03
白毛馬はJRAで50勝、初勝利を挙げて今年で17年目
白毛馬として3頭目のJRA重賞勝ち馬が誕生するか。京都の2歳重賞、GⅢファンタジーSに出走するゴージャスだ。
父は芦毛のゴールドシップで、母が白毛サトノジャスミン。この2頭から、誕生した真っ白な牝馬だ。運動すると皮膚下の血管、筋肉と相まって、全身が綺麗な桜色に染まる。同色の現2歳牝馬ゼッケンとよく似合う一頭でもある。
9月18日の中京芝マイル(5R)でデビュー勝ちを挙げたが、実は、これが白毛馬としてのJRA50勝目でもあった。
今では随分と見慣れた感じもある毛色となったが、サラブレッドとしての初白毛馬は1979年のハクタイユー。黒鹿毛の父ロングエース、栗毛の母ホマレブルから突然変異として誕生した。そこから32頭のホワイトホースがJRA全10場を駆けている。
白毛馬のJRA初Vは07年エイプリルフールの阪神競馬場。千八ダートでホワイトベッセルが勝利した。母は2000年以降で初の白毛だったシラユキヒメで、初勝利に導いたのは川田であった。
芝で初めて勝ったのはホワイトの妹ユキチャン。6Fダートの未勝利勝ちから芝二千の08年ミモザ賞を連勝し、アッと驚く1勝を挙げた。そこから、マシュマロ、マーブルケーキ、ブチコ、シロニイ、ホワイトドラゴン、カスタディーヴァ、ハウナニ、ハヤヤッコ、マイヨブラン、ブッチーニの勝利が続いた。初めてJRA重賞を手にしたのが今も現役のハヤヤッコ。19年の3歳ダート重賞のレパードSでの差し切りだった。
その毛色からも注目を集める白毛勢だが、20年に純白の牝馬ソダシのデビューで一段と脚光を浴びた。
同年夏の函館で白毛馬として初めてとなる芝の新馬勝ちを挙げると、続く札幌2歳S、アルテミスSと重賞をポンポンと2連勝。勢いそのままに2歳GⅠ阪神JFも押し切った。これは、白毛馬として世界初のGⅠ勝利の快挙であった。初物づくしの記録はまだ続き、翌春にはデビュー5連勝で桜花賞もV。無敗で白毛馬の初クラシック制覇を成し遂げている。ダートの活躍馬が多い中にあって一頭、別格。〝強くて可愛い女の子〟のアイドルホースとしての地位を固めた。ソダシ見たさに競馬場に人が集まり、グッズは飛ぶように売れた。新規の競馬ファンを大幅に増やした一頭ともなった。
前走デビュー勝ちは「飛んで走っていた(笑)」(四位調教師)
そのソダシに続く、芝重賞勝ちを狙うのが、冒頭のゴージャス。
中京でのデビュー戦は中団から馬群の外を勢いよく進出して、そのまま押し切る競馬。完勝なのだが、よく見ると直線を向いて右手前に替えてから、数完歩おきに左→右→左→右と手前を替えている。残り1Fはしっかりと右手前で勝ち切ったが、まだまだ余裕のある証拠でもあった。
「飛んで走っていたね(笑)。あのあたりがデビュー戦。一生懸命に走るところが長所だし、一度競馬を経験して、乗っている助手も〝走りが良くなりました〟と。体形、走るフォームからは距離が短くなっても対応してくれると思いますよ」
管理する四位師はこう期待する。
明らかに体が締まり、動きはよくなった。1週前は浜中騎乗のCウッドでラスト2F12秒3─11秒2をマークし、けさは我慢させつつ、2F11秒7─11秒1で動きは弾んだ。
勝てば、2歳女王の座も見えてくる一戦。勝って重賞ウイナーとなれば、アイドルホースとしてさらに輝くことは間違いない。土曜の淀に注目だ。