小牧太 園田の復帰戦でかつての輝きを取り戻す勝利
公開日:2024年8月15日 14:00 更新日:2024年8月15日 14:00
8月1日付で地方競馬の免許を再取得した小牧太が、いよいよ古巣である園田競馬(兵庫県)でのデビューを迎えた。
小牧太は85年に兵庫から騎手デビューして、現在は56歳。04年にJRAへ移籍し、GⅠ2勝を含む911勝をマーク。ただ、近年は騎乗数、勝ち鞍ともに減少し、昨年は未勝利に終わった。
一時は「引退も考えていた」ほどだったが、今年4月、園田で交流競走などに騎乗した際、NAR(地方競馬全国協会)の騎手免許試験を受験して、兵庫県競馬組合所属の騎手に復帰したい意向を示し、見事に合格。JRA騎手としてのラスト騎乗となった、7月21日の小倉12Rで12番人気のモズアカボスに騎乗し、1年9カ月ぶりの勝利を手にしたことは記憶に新しい。
その後、31日までは栗東で調教をつけて汗を流していた小牧太。翌8月1日には園田でファンへの紹介式が行われた。そして14日、いよいよ園田への復帰後、初騎乗の日を迎えたというわけだ。
過去に園田でリーディングを獲得すること10回の名手が姿を現したのは2Rのパドック。その時も拍手が起きたが、その復帰戦を見事に勝利で飾り、さらに大きな歓声が上がった。
騎乗したエイシンジェットは単勝1・2倍と断然の1番人気。逃げた馬をぴったりと2番手でマークし、直線ではきっちり競り落とした。
その②着馬の名前がフッカツラヴ。まるで小牧太の復帰を祝うかのような結果である。
その後は4Rで③着、5Rで④着、10Rが⑩着、メインの11Rは⑧着に終わった。
結局、この日は1勝のみに終わったが、小牧太がかつて所属していた頃には設定がなかった1230メートル戦での勝利は、勝手知ったる“庭”だからか。
「(騎乗するのが)初めてだったので、そこが一番不安でしたが、千四百メートルも一緒ですね。ここ数年(JRAで)くすぶっていたので、園田で鬱憤を晴らして頑張っていきたいです」と力強くコメント。
また、栗東での調教を終えたあと、園田にかけつけた長男でJRA障害騎手の小牧加は「最初のレースを勝利で飾るのだから、さすがですね」。
なお、この園田開催は14日(水)~16日(金)の3日間開催。15日(木)は2、5、6、9、10Rに騎乗。また、16日は重賞の摂津盃の騎乗も決定。これは小牧太がJRAに転入する前の園田時代に初めて重賞を勝ったレースでもある。この移籍をきっかけに、再び輝きを取り戻してほしいものだ。