「え? オレ? んー。まあなんだかんだで競馬40年やってっからね(笑)」。戸惑いつつも今回の登場を了承してくれた石沢義照さん。美浦・天間昭一厩舎で厩務員をしています。
石沢さんと私の出会いはゴルフコンペで同じ組になったこと。〝どんな人だろう?〟と少々緊張してゴルフ場に行ってみたら、「あ! 見たことある」。そこで挨拶して、その柔和な笑顔と人懐っこい話し方。全く圧を感じさせないやり取りで、緊張なんてあっという間にゼロに。
そして見たことあると思ったのはやっぱり検量室前でのこと。とはいえ、その時点で知り合いじゃないとなかなか声はかけにくく、実際に話すのはそのコンペが最初になってしまったというわけです。
その時、名前の義照から「『テル』でいいよ」と言われているので、普段はそう呼ばせていただいていますが、今回は敬意を表して石沢さんと書かせていただきます。
取材は先週の木曜日。すでに梅雨が明けて、正直とてつもなく暑い。夏場の美浦トレセンの調教スタートは朝5時。「木曜なら8時には仕事終わってるよ」。早い……。けど頑張って行ってきました。結局、前日には「やっぱり7時には終わっちゃうよ」。おっと! ではもっと早く出なきゃ。少々バタバタしつつも、なんとか7時前にトレセンに到着。
先週、石沢さんは報道各社から取材対象となり、その対応で忙しかったようです。理由はアイビスサマーダッシュに挑戦する担当馬マウンテンムスメについて。前走の韋駄天Sを14番人気ながら②着に好走した実績に加え、鞍上は結婚を発表したばかりの藤田菜七子騎手と、注目は俄然高まります。
菜七子騎手自身も直線競馬の成績自体がよく、期待も高まります。「うん、調子いいよ」ということでしたが、結果は…
新潟の直線千は圧倒的に外枠が有利で、今回のマウンテンムスメは内の5番枠からの出走。スタート直後から大きく外に切れ込んでいって外ラチ沿いを確保。先頭をキープしていましたが、最後は脚色が劣ってしまいました。
しかしながら、果敢なレースぶりはいかにもマウンテンムスメらしい、そして藤田菜七子騎手らしいものを見せてくれたのではないかと思います。また次走以降に期待したいですね。
(続きは8月7日に更新)
競馬キャスター
テレビ東京の「土曜競馬中継」などでリポーターを務め、競馬サークルに幅広い人脈をもつ。YouTubeの「日刊ゲンダイ競馬予想」で武田、大谷記者とともに出演。また、毎週水曜には「目黒貴子のアツアツ交遊録」を連載中。