【アイビスサマーダッシュ】脚質転換でひと皮むけたモズメイメイがV
公開日:2024年7月29日 14:00 更新日:2024年7月29日 14:00
②着ウイングレイテストとともに高まる今後の期待
夏新潟の開幕を告げる名物重賞、アイビスサマーダッシュを勝ったのはモズメイメイ。チューリップ賞、葵Sに続き3つ目の重賞をゲットした。
3歳春までに勝った前記GⅡ、GⅢはトップスタートからスピードを前面に出しての押し切り。古馬相手になってからは単調なレースが通用せずに惨敗続きだったが、前走の北九州記念では差しに転じて③着とスランプ脱出の兆し。それを今回につなげて、見事な完全復活を遂げた。
レース序盤は馬群の中で脚をタメて、鞍上が追い出したのは残り2Fから。先に抜け出したウイングレイテストをゴール前できっちりとらえてみせた。これも、当初から見せていた上質のスプリント力をしまいに転換できたからこそだろう。
国分恭も「馬がペース配分してくれた感じで行くところも行かずに我慢してくれたので、最後にみんなが止まった時にひと伸びしてくれました」と“短距離の差し馬”としての完成をアピールしていた。
また、59キロで首差②着のウイングレイテストも“負けてなお強し”の内容。同斤量での函館スプリントSに続く連続好走は立派のひと言だ。
過去に59キロでアイビスSDを走ったのは05年④着カルストンライトオ、13年⑩着、14年⑫着のパドトロワだけ。GⅠスプリンターズS連対馬でも結果を出せなかった酷量での②着は、7歳にして地力強化の証しだろう。奥手のスクリーンヒーロー産駒らしい上昇曲線を描いている。
直線競馬という特殊性からか、ここで好走してもその後の短距離重賞では活躍できないことも多い。先につながらない傾向にあったが、今年はちょっと違いそうだ。
この①②着馬はサマースプリントシリーズ制覇を目指す予定。ともに次走が楽しみになるレースぶりだった。