【プロキオンS】ヤマニンウルス無傷の5連勝で重賞突破

公開日:2024年7月8日 14:00 更新日:2024年7月8日 14:00

残る課題を克服して秋GⅠで真の怪物へ

 小倉で行われたダート重賞のプロキオンSはヤマニンウルスが単勝1・7倍の圧倒的1番人気に応えて快勝。デビューからの連勝を「5」に伸ばし、重賞初制覇を決めた。

 ここまで圧倒的な勝ちっぷりを見せてきたが、重賞でもその勢いは全く衰えなかった。

 道中はスムーズに好位を追走すると、3~4コーナーでギアアップ。4角半ばで先頭に立ち、そのまま危なげなく押し切って、②着には3馬身差の完勝。良馬場で千七1分42秒7の時計も文句なしに優秀だから、あらためてこの馬の強さを示した一戦だった。

 そうなれば楽しみになってくるのが今後。GⅠでのトップホースとの対決だ。

 ただし、ここで問題となってくるのが賞金面。もともと息の長い活躍をする馬が多いダート路線。今回の重賞勝ちで本賞金は4300万円になったものの、これでGⅠ出走が確定とは言えないのだ。実際、今回②着だったスレイマン(5100万円)よりもまだ低い。

「行けるなら年末のGⅠへ行きたい」とは陣営だが、まだ詰めて使えるほど体質が強くないため、この後はいったん放牧へ。秋は直行するか、どこかを挟むかは現時点では未定である。

 さらに、GⅠ出走へ向けて課題を挙げるならコースへの対応か。ここまで5戦は小倉、京都ですべて右回りで直線平坦なコース。一方、GⅠチャンピオンズCが行われる中京千八は左回りの大箱コース。直線の半ばには中山に次いで傾斜のきつい急坂も待ち構えている。

 それでもここまでの勝ち内容は本物。武豊も米国で6戦無敗、②着にトータル71馬身差をつけた名馬になぞらえて「“和製フライトライン”になってほしい」と話したこともある素質馬である。

 課題をクリアして、本物のダートの怪物となるか。今後に向けて夢が広がる勝利だったのは間違いない。

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