【北九州記念】ピューロマジック課題克服で逃走V
公開日:2024年7月1日 14:00 更新日:2024年7月1日 14:00
韋駄天娘がこの先のスプリント界を盛り上げるか
夏の小倉開幕週で行われた「サマースプリントシリーズ」の第2戦、北九州記念を制したのは3歳牝馬ピューロマジック。前走の葵Sに続いて重賞連勝となった。
ナツコクとはいえ今年は開催日割の変更で、例年より早い開幕。“ツユコク”で馬場は稍重に。決していつものようなパンパンの高速馬場ではなかったが、とにかく、この馬は今回も速かった。
ゲートを決めると、スピードの乗りが他馬とはケタ違い。テンの1Fを11秒4で入ると、10秒2―10秒7と10秒台を連発。前半3Fは32秒3の猛ラップになった。これは小倉芝千二の良馬場以外では歴代最速の逃げだった。
それでも最後まで決して先頭を譲らないのだから、いい心肺能力を持っている。②着ヨシノイースターの猛追を半馬身差封じたところがフィニッシュラインだった。
この勝利は同馬にとって課題克服にもなったか。2走前のマーガレットSは重馬場の中で②着止まり。スピードタイプで渋った馬場は向かないイメージもあったが、今回は“稍重”でもきっちり結果を出した。
さらに東京でのデビュー戦は大敗も、今回は小倉への輸送をクリア。1泊競馬でも大丈夫なことを証明してみせたから、「スプリンターズSを視野に」の安田翔師の言葉通り、秋の中山へ期待がふくらんだ。
あとはあえて課題を挙げるとすれば坂か。
前記した阪神のマーガレットS、東京のデビュー戦だけでなく、昨年12月の阪神のさざんか賞も②着と、これまで直線に坂のある舞台では結果が出ていない。
それでも成長期の3歳馬。ここからさらにひと成長して坂も問題なしとなれば――。
この韋駄天娘がスプリント界を盛り上げる可能性も大いにありそうだ。