【日本ダービー】別路線組からの挑戦にも要注意

公開日:2024年5月23日 14:00 更新日:2024年5月23日 14:00

 ダービーでは例年、皐月賞組が中心となっている。とはいえ、過去10年間で①~③着を独占したのは16、20、22年の3回。別路線組にも出番は十分ある。今年も要チェックだ。

【青葉賞馬】シュガークン 血統も鞍上も魅力

 シュガークンはメンバー中で最も遅い2月にデビューした。

 初戦こそ②着に敗れたが、未勝利、大寒桜賞を連勝して青葉賞へ。逃げ切った大寒桜賞とは違い、5~6番手でレースを進めた。折り合いピタリに運んで、直線でゴーサインが出ると力強く伸びた。前をとらえると、後続の追撃を振り切り、一気に大舞台へ参戦だ。

 中間は放牧を挟み、乗り込みは順調。先週は主戦の武豊が手綱を取り、Cウッド6F81秒9―35秒4、1F11秒1と抜群の切れ味を見せた。

 何と言ってもレジェンドとのコンビは魅力たっぷり。武豊は半兄キタサンブラックの手綱を取り、GⅠ7勝中、6勝を挙げている。

「1週前追い切りはいい動きができて、ジョッキーも好感触を口にしてくれました。余計なことをしないところ、心肺機能が強いところは兄と似ています。東京二千四百メートルを経験してるのも強み。あとはレースまで無事に調整して本番に臨めればいいですね」(清水久師)

 青葉賞から勝ち馬は出ていないが、②着は86年のグランパズドリームから12年のフェノーメノまで8回ある。ダービー6勝の名手の後押しを得て、初戴冠となるか。

【京都新聞杯馬】ジューンテイク 豊富な経験生かす

 5月初めに行われる京都新聞杯は“東上最終便”。00、13年には勝ち馬のアグネスフライト、キズナ、19年には②着のロジャーバローズが大舞台で栄冠に輝いている。

 今年の勝ち馬はジューンテイク。2歳時には千四の新馬と千六のこうやまき賞を制して、朝日杯FSでは④着と掲示板に載った。3歳からは長めの距離にシフト。すみれS②着後の若葉Sは⑤着だったが、続く京都新聞杯で結果を出した。

 道中は好位を追走。手応え良く進めて、直線では最内へ。逃げ馬をかわして、1馬身差をつけてゴールイン。上がり3F33秒6はメンバー最速だった。前につけられて、末脚もしっかりとしているのがいい。

 中間も元気いっぱい。先週は水曜に坂路4F55秒2―12秒8、土曜にも4F52秒5―12秒2をマーク。今週水曜は岩田望が感触を確かめた。

「心肺機能が高くスタミナがある。レースの疲労感もなく、回復が早かったですよ。元気良くレースへ向かえそうです」(武英師)
 キャリア9戦はメンバー中最多。レースを経験して力をつけてきた。人気馬に一泡吹かせる場面があっても。

【プリンシパルS勝ち】ダノンエアズロック 良血馬が激走

 プリンシパルS組からは勝ち馬こそ出ていないが、これまで②着1回③着4回している。

 96年②着ダンスインザダークこそ1番人気だったものの、98年③着ダイワスペリアー=15人、02年③着マチカネアカツキ=6人、09年③着アントニオバローズ=8人、18年③着コズミックフォース=16人と、再三、人気薄で馬券に絡んでいる。

 今年はそのプリンシパルSから勝ち馬ダノンエアズロックが出走する。

 前々走の弥生賞ディープインパクト記念で⑦着に敗れた後は右トモ外側副管骨の骨折が判明。しかし、幸いにも2カ月で早期復帰できた。レース自体も大外枠からセンス良く好位へ。スムーズな折り合いから力強く差し切って、ゴール前は流す余裕まであったくらい。

 無事に最終切符を掴んだわけだが、課題は詰まった間隔で本番を迎えること。

「中2週でここを使うにあたっては、上昇を見込める申し分のない形でいけます」(堀師)

 水曜の3頭併せでは6F82秒0―36秒3、1F11秒4をマーク。キビキビした動きで、疲れは全く感じさせなかった。

 セレクトセールでは4億5000万円(税別)で落札された良血馬。そのポテンシャルを警戒したい。

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