【有馬記念】スターズオンアース最高潮
公開日:2023年12月21日 14:00 更新日:2023年12月21日 14:30
ルメールとのコンビ再結成が追い風に
2冠牝馬スターズオンアースにはこれまで5人のジョッキーが携わってきた。
デビューから4戦目のフェアリーSまでは石橋が手綱を取った。2歳秋の東京で初勝利を挙げ、明け3歳のフェアリーSでは②着。ライラックに大外一気を決められたものの、内からしぶとく伸びて首差の接戦を演じている。
横山武はクイーンCの一戦のみ。プレサージュリフトの強襲に遭いながらも、首差②着に踏ん張った。重賞で連続連対を果たし、賞金加算に成功してクラシックへ。
桜花賞がターニングポイントのひとつになってくるか。ここで川田にバトンが渡されると、⑩着までが0秒3差にひしめく大激戦を制した。直線で他馬と接触するピンチも何のその、馬群から力強く抜け出して1冠目をモノにする。
オークスから鞍上はルメールに。フルゲート18頭の大外枠も克服して鮮やかな差し切り。テン乗りとは思えない完璧なエスコートだった。勝ち時計2分23秒9は歴代4位の好記録で、この一戦がベストパフォーマンスという声も多い。
3冠がかかった秋華賞はスタートで後手を踏んだ影響もあり、③着止まり。それでも、4歳初戦の大阪杯では同じ阪神内回りで②着。続くヴィクトリアマイルも③着と、条件が揃わない中で安定した成績を残した。
いよいよ今秋は適舞台で本領発揮……と思いきや、ツメの不安で秋の天皇賞を回避。ジャパンCには間に合ったが、ルメールが主戦を務めるイクイノックスが立ちはだかってビュイックへの乗り替わり。そこでもアクシデント明けを感じさせない走りを見せ、3冠牝馬リバティアイランドとは1馬身差の③着で地力の高さを証明した。
ビッグチャンスはすぐに訪れる。イクイノックスの引退により、この有馬記念でルメールとのコンビ再結成が決まった。最強のパートナーとさらなる高みを目指す。
中間は山元トレセンに短期放牧。12月8日に帰厩して順調そのものだ。1週前追い切りを無事に終え、今週水曜はウッドで3頭併せ。5F66秒2―38秒1、1F11秒7をマークしている。
栗東から駆けつけたルメールは「すごくいい追い切りでしたね」と切り出した。
「直線でいい反応をしてくれました。無理しないで自分から動いていたので、コンディションは良さそうですね。どの馬にもチャンスがあるけど、スターズオンアースはGⅠレベルでずっと結果を出してくれています。いつもいいパフォーマンスをしてくれるし、勝つ自信があります」
暮れの大一番に向けてきっちり間に合わせてきた。ムードはまさに最高潮! GⅠ3勝目に向けて突き進む。
鞍上は今年のGⅠで6勝②着3回③着4回、驚異の③着圏内率・684
今年のGⅠ戦線を振り返ってみれば、とにかくルメールが目覚ましい活躍を見せた。
最初のGⅠ勝利は海外で。ドバイシーマクラシックをイクイノックスとのコンビで3馬身半差の圧勝で逃げ切り。国内では天皇賞・春をジャスティンパレスで2馬身半千切って、秋には菊花賞=ドゥレッツァ、天皇賞・秋=イクイノックスと2週連続で勝利を挙げている。
今週までに国内GⅠレースは障害戦を除いて22戦。そのうち、ルメールの騎乗機会は19戦あり、成績が6勝②着3回③着4回。勝率・316、③着内率・684の高い値をマークしている。特に芝で馬券圏内を外したのは4戦のみで、ルメールで馬券を買えば当たると言っても過言ではない。
有馬記念とホープフルSを残している現時点ですでに昨年の成績〈3428〉を大幅に超えているのだから、いかに好調かが分かる。
過去の有馬記念でも好成績を残してきた。
日本でのGⅠ初勝利がこのレース。05年にあのディープインパクトを破ってのものだ。
16年からの7回では①②②⑨③③①着と19年アーモンドアイを除き、他はすべて馬券に絡んでいる。記憶に新しいのは昨年のイクイノックス。直線で抜け出してからは独壇場で2馬身半差の完勝だった。
人気馬だけでなく伏兵も活躍させる手腕を発揮したのが17年。8番人気クイーンズリングを②着に導いて、①③着が1、3番人気でも3連単2万5040円の好配当を演出している。
今年の有馬でコンビを組むのはスターズオンアース。勝てば自身初の連覇となるが……。