【マイルチャンピオンシップ】代打・藤岡康お見事! 紅一点ナミュールようやく届いたビッグタイトル

公開日:2023年11月20日 14:00 更新日:2023年11月20日 14:00

 秋のマイル王決定戦のマイルチャンピオンシップを制したのは紅一点だった藤岡康ナミュール。悲願の戴冠を成し遂げた。

 過去、GⅠに挑戦すること実に7回。秋華賞②着、オークス③着などがありながら、掲示板で唯一なかったのが「①着」。どうしてもあと一歩、手が届かなかったが、その最後のピースを埋めることができたのは“代打”藤岡康の好騎乗があってこそだ。

 当初は仕事人ムーアが騎乗予定。それが2R2歳未勝利戦でスタート直後に落馬で負傷し、急きょの乗り替わりとなった。それでも「これまでレースは見ていましたし、先生や(前走の富士Sで騎乗していた)モレイラからも話を聞いて、いいイメージを持って乗りました」と話すように、レースではまるでお手馬だったかのような冷静な騎乗を見せた。

 スタートは決して速くはなかったが、道中は鞍上鞍下の呼吸も合っており、後方待機でじっくり脚をためることができていた。4角から直線の誘導も実に鮮やかで、コーナリングでは外を回し過ぎずにロスを最小限に抑えつつ、直線でうまく外めへ。馬場の伸びがいいところに持ち出せば最後は切れるのは当然で、素晴らしい伸び脚を引き出してのフィニッシュ。②着ソウルラッシュとはわずかに首差だから、少しでもロスがあれば結果はどうなっていたか分からない。当日の代打で満点騎乗をやってのけたのは、「お見事!」と言うしかない。

 ナミュール自身にとっては前回の富士Sが3歳春のチューリップ賞以来の勝ち星で、それが今回は連勝劇でビッグタイトルを手にしたことに。

 しかも今回は牡馬相手のものでもあり、この先は牝馬限定GⅠにこだわる必要もないうえに、オークス③着から「距離はこなせるので」とはレース後の高野師である。選択肢の幅が広がっただけに、先々はさらに楽しみといえよう。

最新記事一覧

  • アクセスランキング
  • 週間