【ラジオNIKKEI賞】エルトンバローズと3戦3勝の西村淳はこの夏、最も注目のジョッキー

公開日:2023年7月3日 14:00 更新日:2023年7月3日 14:00

 左手を高々と上げてガッツポーズ。人馬ともに大きく視界の広がる勝利となった。

 福島開催1週目のメイン、GⅢラジオNIKKEI賞は3番人気エルトンバローズが好位から抜け出して、重賞初挑戦で見事に勝利を飾った。

 勝ち時計は千八1分46秒9。②着馬には半馬身差だったが、まさに横綱相撲の安定した取り口だった。

 その立役者は6年目の23歳・西村淳である。立ち回りのうまさが求められる小回り福島の千八で、テンからポジションを取りに行って、スッと好位3番手インを確保。そこからは折り合ってジッとすると、勝負どころからはスムーズに外に出して進路を定める。あとは直線で伸びるだけ。まさに福島千八のお手本のような騎乗ぶりである。

「西村が小回り上手なのでここへ。うまく乗ってくれましたね」と、してやったりの表情だったのが杉山晴師。これで鞍上とは3戦3勝の好相性ぶりを発揮している。

 未勝利を脱出するのに5戦を要したが、そこからは一気に連勝街道。心強い相棒を見つけ、今後のさらなる飛躍が期待できる。この後は一息入れて、秋はマイル路線での大きいところを目指して行くそうだ。

 それにしても見事なエスコートだった西村淳。

「(自分は)重賞で②着が多かったので、その悔しさをバネにしてきました。②着ではなく、勝って結果が求められる仕事なので」と殊勲の鞍上。今年はここまで42勝で全国9位とトップ10入りを果たしている。

 重賞もこれで通算5勝目となった。今年だけで3勝をマークし、その内訳は21戦で〈34113〉と8度も馬券に絡んでいる。特に6月以降は⑧④②①①着と、きっちり結果を残し、また一段階、ステージを上げてきた。

 年が近い鮫島駿や横山武、団野と岩田望、菅原明らの刺激を受けながら、切磋琢磨を重ねてきた。秋の大舞台でも大仕事をやってのけるか。さらなる成長を期待したい。

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