【宝塚記念】イクイノックス着差は〝首〟でも魅せた世界トップの脚力

公開日:2023年6月26日 14:00 更新日:2023年6月26日 14:00

史上初の20億円超えも視野に

 これこそ世界トップの走り――。

 阪神で行われた上半期を締めくくるグランプリ宝塚記念を制したのはイクイノックス。断然の1番人気に応えて差し切り勝ちを決めた。

 ゴールでの着差は首。前走のドバイシーマクラシック勝ちが3馬身半差だったのとは対照的に、これまでの勝ち鞍の中では最小の着差だった。しかし、それだけでは測れない世界ナンバーワンの強さがそこにはあった。

「いいポジションを取れずに前の方に行けなかった」

 レース後にそう話したのはルメール。好スタートを決めたが、包囲網もあったのか1角の入りは16番手と鞍上の理想形とは違っていた。それでもこの馬には関係なし。道中はしっかり折り合って脚をためて、勝負どころから大外を徐々に進出。4角も大外回りの「ワイドな競馬に」なっても、直線はこれぞ最強馬の脚だった。

 グイグイと1完歩ごとに鋭伸して、あっという間にライバルをひとのみしてのフィニッシュ。さすがというしかない走りで、世界最強を再アピールした勝利になった。

 これで今年はGⅠ2連勝で、昨秋の天皇賞からのGⅠ連勝も「4」まで伸びた。その稼ぎもすでに約15億円にもなってきた。今後は「7、8月はオーバーホールさせて」とは木村師で、次は秋ということになる。国内専念となれば、古馬王道路線が目標になってくる。

 中でもJC、有馬記念は今年からさらに賞金増額で、①着賞金はともに5億円。とりわけJCの褒賞金対象レースにはドバイシーマクラシックがあり、勝てば200万ドルのボーナス。円安傾向を考えれば①着賞金と合わせて8億円近いビッグマネーも。

 歴代獲得賞金トップのアーモンドアイ、さらに父である2位のキタサンブラックらを抜いて史上初の20億円超えも、いよいよ現実味を帯びてきた勝利でもあった。

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