【日本ダービー】今年は老舗「社台レースホース」復権の年 勝ち鞍が増え、GⅠでも存在感を取り戻す
公開日:2023年5月22日 14:00 更新日:2023年5月22日 14:00
ソールオリエンスは老舗のクラブ法人「社台レースホース」の馬。1980年に設立され、長きにわたって活躍馬を輩出してきた。
83年にはダイナカールがオークスに勝利。86年にはダイナガリバーがダービーを制した。これはクラブ法人として初のダービー制覇である。
その後も01年にはステイゴールドが香港ヴァーズを制覇し、初の海外GⅠ勝ちを成し遂げると、04年にはダンスインザムードの桜花賞勝ちによって3歳クラシック完全制覇も達成している。
しかし、近年はノーザンファームと、その傘下や系列のクラブが台頭。前記の04年には168勝を挙げたサンデーレーシングに勝利数首位を明け渡した。社台RHは123勝だった。
07年には社台RHが142勝で、110勝のサンデーRから首位を奪還し、11年までナンバーワンクラブの座を守ったものの、12年には再びサンデーRに首位を譲り2位に。13年には再びトップに立ったが、14年には一気にノーザン傘下のキャロットファームが121勝で首位に立った。社台RHは3位である。
16年になると同じくノーザン傘下のシルクレーシングにも抜かれ、4位に転落。そして20年にはゴドルフィンが4位に浮上して、5位に落ちた。
だが、昨年から巻き返しが始まった。年間99勝はシルクR、サンデーRに次いで3位。今年はここまで43勝を挙げ、53勝のキャロットFに次いで2位につけている。
また、GⅠでもスターズオンアースが昨年、桜花賞、オークスの2冠を制覇。社台RHのGⅠ勝ちは17年オークスのソウルスターリング以来、5年近い久々だった。
そのスターズに続いて出てきたのがソールオリエンス。皐月賞勝ちは14年のイスラボニータ以来で9年ぶりである。
ダービーVならネオユニヴァース以来、20年ぶり
となれば、次はダービーだ。皐月賞は86年ダイナコスモス、95年ジェニュイン、03年ネオユニヴァース、08年キャプテントゥーレ、さらにイスラボニータとソールオリエンスで6勝と相性がいいが、ダービーは2冠馬ネオユニヴァース以来、勝っていない。
ジェニュインは1馬身半差、イスラボニータは4分の3馬身差の②着に泣いている。また、04年には皐月賞⑭着ながら、京都新聞杯を制して挑んだハーツクライが1馬身半差の②着。キングカメハメハのレコード駆けに屈した。
そもそも名門クラブでありながら、ダービーに送り出すのが18年ステイフーリッシュ(⑩着)以来、5年ぶりである。
問題は前走の皐月賞が反動が出やすい重馬場だったこと。前走が芝の重、不良だったダービー馬は89年ウィナーズサークルが最後。皐月賞の②着馬だった。
懸念材料がないわけではない。だが、それ以上に馬、クラブの勢いが魅力だ。ネオユニヴァースから20年。再び、2冠馬誕生となるか――。