ケンタッキーダービー出走デルマソトガケの浅沼廣幸オーナー独占インタビュー
公開日:2023年5月2日 14:00 更新日:2023年5月7日 05:14
UAEダービーのゴールの瞬間、〝生きていて本当に良かった〟と
――生きていて良かった?
「2015年春、65歳で医療法人の責任者を退いて馬を追う世界の旅人になって老後を過ごそうと計画していたのです。
しかし、その翌年、16年暮れに医者の不養生ではありませんが末期の膵臓がんが見つかり、余命は長くても半年という宣告を受けました。八方手を尽くして最先端のがん治療を施したところ、奇跡的にがんがおとなしくなってしまったのです。
これで馬を追う世界の旅人の夢を再開できると思っていた18年正月に脳幹の脳梗塞に見舞われたのですが、幸い発症から1時間以内に処置ができたため、一命を取り留めました。
2度も命拾いしたことを、友人たちはオレオレ詐欺ならぬ“死ぬ死ぬ詐欺”だと今はからかってくれています(笑)。
今でも脳梗塞の後遺症は残っていますが、杖を突きながらも馬を追いかける旅人という人生究極の夢を、ソトガケがかなえてくれたのです。“生きていて本当に良かった”と、ゴールの瞬間に感じざるを得ませんでした」