【天皇賞・春】タイトルホルダー堂々の主役
公開日:2023年4月25日 14:00 更新日:2023年4月25日 14:00
復権を目指して日経賞に臨んだタイトルホルダーは見事な“満点回答”を出した。
スタートを決めると、迷うことなくハナを主張した。リズム重視で4コーナーを回り、あとは独走態勢に。後続をグングン突き放して8馬身差の圧勝である。
昨春は同じく日経賞から始動して天皇賞、宝塚記念と3連勝。もはや国内には敵なしという勢いがあった。ところが、その秋に歯車が狂い出す。凱旋門賞で⑪着に沈み、帰国後の有馬記念でも⑨着に敗れた。
それだけに栗田徹師は「本来の姿を取り戻してホッとしてます。暮れの負け方がちょっと良くなかったし、そのまま終わってしまうケースもあるので」と安堵の表情を浮かべた。
そうなれば、前進あるのみ。休み明けを使って上昇ムードだ。
4月7日に坂路で4F54秒8―12秒7の時計を出すと、1週前は横山和を背にウッド6F80秒3―36秒0、1F11秒2を馬なりでマークして2馬身先着。回転の速いフットワークで、軽快さに力強さも加わった。
「ジョッキーはまたがった瞬間に“トモが良くなってる”と感じたよう。追い切りだけじゃなく、角馬場の時点やハッキングの段階で“はまりがいい”と。動きも時計も良かったと思います」
立て直しに成功した理由を師はこう話す。
「(昨年の)有馬記念の時はうるさくて、ソーッとやってきて裏目に出た感じも。それがあったからこそ、攻めの調整に踏み切れたというところもあります。同じローテーションだけど、今年の方が順調ですね」
宝塚記念では阪神二千二百メートル2分9秒7のレコードV。京都の高速決着もドンと来いだ。
再び上昇気流に乗った実績馬が今年も貫禄を見せつける。