【阪神スプリングJ】熊沢、五十嵐、石神それぞれのこのレースにかける思いとは

公開日:2023年3月9日 14:00 更新日:2023年3月9日 14:00

 先週日曜の阪神4R障害未勝利戦は5番人気のセルリアンルネッタが勝利。鞍上は大ベテランの熊沢で、これが1年4カ月近い久々の先頭ゴールインだった。

 昨年2月26日の小倉競馬、春麗ジャンプSで落馬↓競走中止。その時のケガでおよそ1年もの休養を余儀なくされ、今年2月19日の平地競走で復帰。そこから3戦目、障害では2戦目での勝利だから、鞍上は感慨深いものがあっただろう。障害ジョッキーにケガはつきものとはいえ、55歳にして復帰Vを決めたのだから、お見事である。

 今週土曜のGⅡ阪神スプリングJでは“かつての相棒”ケンホファヴァルトとコンビを組む。

 平地3勝クラスから、20年5月に障害入り。暮れには中山大障害でメイショウダッサイの②着がある名ジャンパーだ。

 だが、その後は休み休みでの出走に。翌21年はブッツケで中山グランドJ②着、秋の京都ジャンプS①着の2戦のみ。ここまでは熊沢とコンビを組んでいたが、22年の中山グランドJは森一で④着。秋は平地を森厩舎所属の松本で⑩着のあと、中山大障害は小牧加で⑧着。4戦ぶりの手綱は、実に1年半近い再コンビとなるが……。

 そこに立ちはだかるのがニシノデイジー。昨年の中山大障害馬で、こちらは名手・石神の復帰戦になる。

 今年2月4日、小倉の障害未勝利戦で落馬し、頚部負傷の診断で休養。ここを復帰の目標にしてきた。

 中山大障害を勝った時のジョッキーは五十嵐。GⅠを勝ったコンビが乗り替わりとなった舞台裏は、ニシノの馬主である西山茂行氏がブログで明らかにしている。

 目標の中山グランドJの前にどこを使うかで、12月28日に行われた「中山大障害優勝祝賀会」において高木師が阪神のこのレースを提案したところ、五十嵐が「そのレースはミッキーメテオ(西田厩舎)の先約があり乗れません。自分がこのレースがいいと言った馬なので断れません。すみません」と。西山氏が「まだ時間があるし、ゆっくり考えろ」と五十嵐の決定にゆだねた結果、正式にミッキーメテオに乗ることに。そこでオジュウチョウサンの引退であいていた石神に声がかかったというわけだ。

 ミッキーも現在2連勝中の上がり馬。義理を果たした五十嵐か、新たなチャンピオンに騎乗できる石神か、それとも大ベテランの熊沢か。この3人のジョッキーに、ぜひとも注目してほしい。

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