【すみれS】良血シャザーンがきっちり勝ち切ってクラシックの主役へ(ネットオリジナル)

公開日:2023年2月23日 14:00 更新日:2023年2月23日 14:00

 クラシックまで2カ月を切った。

 例年この時期にもなれば、ある程度の勢力図は見えてくるもの。牝馬路線でいえば、中心は2歳女王リバティアイランドだろう。これを追随するのが、重賞勝ちのライトクオンタムやドゥーラ、ハーパーあたりか。

 これに対して混沌としているのが、今年の牡馬クラシック路線だ。

 現3歳世代で牝馬限定を除いた重賞は、昨夏の函館2歳Sから始まり15戦あったが、勝ち馬は14頭。唯一、2つのタイトルを獲得したのが、最優秀2歳牡馬のドルチェモア。サウジアラビアRCと朝日杯FSの勝ち馬だ。ただ、こちらはニュージーランドTからNHKマイルCへ。マイル路線に向かう旨が発表された。やはり牡馬クラシック路線は大混戦ムード。今年は重賞ウイナー以外にも目を配る必要がありそうだ。

 そこで注目したいのが、今週のすみれS出走のシャザーンである。

 父はロードカナロアで、母は16年エリザベス女王杯を制覇したクイーンズリングという超良血馬。21年セレクトセール1歳では、2億2000万円(税抜き)の高値で取引されており、友道厩舎の期待馬だ。

 新潟の新馬戦は②着。ゴール前で鼻差かわされはしたが、ハナをたたいてラスト3Fが10秒8─10秒3─11秒4だから、心肺機能は並みではない。また、過去20年を振り返っても、2歳新馬でレースの上がり3Fが32秒5以内だったのは2つだけ。このレースと、前日の新馬戦を勝ったリバティアイランドだ。そう、ポテンシャルは現3歳世代の中ではトップクラスというわけ。

 その後はヒザの骨折で間隔はあいたものの、年明け復帰初戦であっさり勝利。重馬場をものともせずに2番手から抜け出す横綱相撲。上がり3Fは11秒9─11秒4─11秒4のハイラップだった。

 大江助手はこう振り返る。

「長欠明けがどうかと思っていましたが、ケイコの動きは良かったですからね。レースは非常にスムーズでしたし、素晴らしいパフォーマンス。次に向けて可能性を感じる勝利でした」

 しかし、現時点では1勝馬であり、賞金は400万円しかない。オープン特別のここでは、重賞と違い②着の賞金加算がない。勝つことが必須条件となる。

 だからこそ仕上げにも力が入る。

 2週前、1週前にはCウッドでしっかり追われて6F83秒9、83秒3をそれぞれマーク。特に1週前では古馬オープンのフライライクバードを5馬身近く追い掛けて半馬身先着と、陣営の熱が伝わってくる追い切りだった。

「レースに向けてしっかり負荷をかけられました。動きは良かったですよ。その後は週末、そして直前と坂路で。追い切り毎に状態が上向いてます。操作性が非常に高い馬で距離も心配していません」

 さらにこう続けた。「素質はかなり高い。僕たちも非常に期待してる一戦です」

 強く勝って一気にクラシックの主役候補となるか。レースぶりに注目したい。

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