サウジで結果を出すのは芝馬か、ダート馬か 今年遠征の6頭に課せられた大きな役割(ネットオリジナル)

公開日:2023年2月23日 14:00 更新日:2023年2月23日 14:00

 今年、土曜のサウジカップデーに遠征する日本馬は20頭。昨年の12頭から大幅に増加している。

 ちなみに、昨年は1カ月後のドバイワールドカップミーティングには22頭が出走。ドバイで日本馬が出走したレースは8競走。1日に多くのGⅠ、GⅡ競走が編成されているとあって、遠征がしやすいという側面があるからだ。

 昨年はサウジで日本馬は4勝、ドバイでは5勝と大暴れ。特徴的だったのが、芝オンリーではなく、ダートでも勝ち馬が出ていることだ。

 サウジではリヤドダートスプリント(千二)でダンシングプリンスが勝利。ドバイではゴドルフィンマイル(千六)をバスラットレオンが逃げ切り、UAEダービー(千九)はクラウンプライドが勝利。短距離、マイル、3歳馬と異なるカテゴリーで結果を出したのだが……。

 一方で、ハードルが高いのがメインのサウジCである。

 20年に創設されたばかりで、まだ日本からの出走は5頭だが、20年ゴールドドリーム⑥着、クリソベリル⑦着、21年チュウワウィザード⑨着、22年マルシュロレーヌ⑥着、テーオーケインズ⑧着と、⑥~⑨着が〝指定席〟の状態。①着賞金約13億円にはなかなか手が届きそうにない。

 その前記マルシュロレーヌは前年にアメリカでBCディスタフを制し、日本調教馬による初のダート国際GⅠ制覇を達成。牝馬限定戦の次に期待がかかるのは、やはり牡馬だ。

 だが、同じアメリカでもBCクラシックは96、97年のタイキブリザードなど通算5頭が挑戦して、97年タイキの⑥着が最高。ドバイワールドCには第4回の99年を除き、毎年、日本馬が名を連ねているが、いまだに〝ダート〟での勝利はなし。11年にヴィクトワールピサ、トランセンドでワン・ツーを決めた時はオールウェザー。ダートの二千㍍戦として創設され、今もそうだが、10年から14年はオールウェザーだったのだ。

 このヴィクトワールピサとトランセンドは日本だとまず対戦しない、芝、ダートのチャンピオンホース。過去に多くのダートのトップホースがこのレースに挑戦したが、ことごとく厚い壁にはね返されてきた。

 01年にはトゥザヴィクトリーが②着。日本よりも時計が速い中東のダートでは一見、芝馬の方が向く感じもある。

 しかし、15年にはエピファネイアが挑戦して最下位⑨着と惨敗。さらにここ2年はチュウワウィザードが②③着と好走したことにより、ダート、特に中東の大一番は芝馬がいいのか、ダート馬がいいのか、ますます見極めが難しくなってきた。

 今年、サウジCに挑戦するのは6頭。

 ヴァンドギャルド、カフェファラオ、クラウンプライド、ジオグリフ、ジュンライトボルト、パンサラッサで、現在の活躍するステージで分類すると、ヴァンドギャルド、ジオグリフ、パンサラッサは芝馬。カフェファラオ、クラウンプライド、ジュンライトボルトはダート馬となる。

 ただ、ジオグリフは父がドレフォンでダートで走る可能性は十分。ジュンライトボルトは芝で4勝の実績もあり、このあたりの判断は難しいが、芝馬、ダート馬が半々ずついることで、今後の目安にはなるか。

 そもそもサウジCは第1回の勝ち馬がアメリカのマキシマムセキュリティ。前年にフロリダダービー、ハスケル招待S
、シガーマイルなどのGⅠを勝っているバリバリのトップッホースだ。

 一方、第2回の勝ち馬はミシュリフ。こちらは前年のジョッケクルブ賞(仏ダービー)馬で、本来はバリバリの芝馬。このレースに勝ったあとはドバイワールドCではなく、シーマクラシックに向かっている。

 第3回の勝ち馬エンブレムロードは地元サウジアラビア調教馬。このレースに勝ったあとは欧州に移籍し、芝のGⅢを使ったが6頭立ての⑤着と冴えず、再びサウジに戻っている。まさに〝3頭三様〟なのだ。

 今年、ブックメーカーの1、2番人気は米国のテイバ、カントリーグラマーとバリバリのGⅠ馬が形成。その後は日本馬が多く名を連ね、地元馬の評価はやや低めだ。

 果たして、第4回の勝ち馬はどういうタイプか。また、日本馬の好走は芝馬、それともダート馬なのか。

 今年、この6頭が何らかの答えを出してくれることを期待して、観戦したい。

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