【東海S】プロミストウォリアダート界の新星を目指す(ネットオリジナル)
公開日:2023年1月19日 14:00 更新日:2023年1月19日 14:00
今のダート界は混沌としている。
昨秋のチャンピオンズCでは王者として君臨してきたテーオーケインズが敗れ、ジュンライトボルトがV。マイル路線こそGⅠ3勝(交流含む)のカフェファラオが頭ひとつ抜けているが、絶対的とは言えない。
そう、確固たる存在が見当たらないのが、現在のダート路線なのだ。今週の東海Sでは新星誕生があるか。そこで注目したいのが、プロミストウォリア。
6歳にして、いまだ6戦。この戦績が表す通り、決して順風満帆ではなかった。
デビュー前に脚部不安で手術を行い、3歳3月にして初出走。そこで初勝利を挙げたものの、骨折が判明。その後は使うたびに骨折を繰り返し、幾度となく戦線離脱を経験。3度目の骨折から復帰したのが、昨秋の新潟だった。
当時は脚元を考慮しながらの仕上げ。陣営も「いきなりからはどうか」と慎重なコメントを残していた。それがどうだ。好スタート好ダッシュからハナをたたくと、そのままマイペース逃げ。4角から徐々にペースを上げて、後続を引き離したところで勝負あり。直線はワンサイドゲームで、終わってみれば5馬身差の完勝だ。
続く昇級戦は、中2週での出走。さらに番手からの競馬と初めて尽くしの一戦に。それでも楽な手応えで外から進出すると、4角では先頭に並びかける余裕のレースぶり。異なるスタイルで結果を出したのは大きな収穫と言えよう。
そして前走の摩耶Sは楽に逃げ切り。きっちりと持ち時計を短縮し、後続には6馬身もの差をつけて見せた。昇級戦にもかかわらず着差を広げたのだから、これはもう本物だ。
「復帰してからここまで、いい内容で勝ってきてくれたね。使うごとに馬が良くなってるよ」(野中師)
10月末の復帰から、わずか3カ月足らずでGⅡへと駒を進めてきた。この3戦の勝ちっぷりを見てわかるように、能力の底は見せていない。そして何より強調できるのは、今は脚元に何の不安もないということ。だからこそ、調教でもきっちりと負荷をかけられている。
前走後は在厩で調整され、1月9日には早くも坂路で初時計をマークしている。1週前追い切りでは坂路4F52秒9を馬なりなら、直前は手応え十分に4F53秒8。時計以上にスピード感のある走りで、雄大なフットワークは目を引いた。
追い切りを見届けた野中師は「1週前はこの馬らしい走りだったし、直前もいい動き」と合格点ジャッジだ。仕上がりに不足はない。
「器用な馬じゃないから、内でゴチャついたりしたらどうかの不安はある」と慎重だが、2走前に控える競馬を経験済みだ。そして何よりも、天井知らずのポテンシャルがある。重賞の舞台でも心配はいらないだろう。
「スムーズな競馬さえできれば、ここでも差はないはずだよ。能力は足りるからね」
ここを勝てば、一気にフェブラリーSの主役候補だ。遅咲きの大物が、ダート界を席巻するか。