アーモンドアイ、勝ったリスグラシューに次ぐ人気を集めた３歳馬が②③着に好走。ともに評価できる内容だった。

　まずは②着のサートゥルナーリア。血統的に自らの感情を制御し切れずポテンシャルを十分に発揮できないタイプ。ダービーと天皇賞ではゲート前でテンションが上がって力んだことで直線は伸び切れず、ビッグタイトルを逃してきた。

　これを踏まえて、直前の調整をコースから坂路へシフトしたのが功を奏した。首を上げ下げすることなく落ち着いてゲートインに成功すると、道中も折り合いピタリ。直線では一瞬、“勝つか”のシーンまで。４角ではリスグラシューは内→外にショートカットしてロスなく運んでいたのに対し、こちらは外→外を回らされるきつい展開。それを考慮すれば、相当に強い競馬をしていたといえよう。距離適性もマイル～二千がベストだけに、来年は中距離路線を引っ張る存在になる。

　③着ワールドプレミアはこれでデビュー以来、７戦連続で馬券圏内へ。

“菊花賞Ｖ→有馬③着”で思い出されるのが、あのキタサンブラック。４歳から武豊とコンビを組み、ＧⅠ６勝を積み重ねた希代の逃げ馬だ。

　ワールドとはこれまでデビューからのコンビでストロングポイントを熟知。それゆえに「決め打ちしかなかった」と鞍上が話したように、スタイルに縛られることなく、レース展開に合わせた変幻自在の組み立てができたのだろう。

　長距離路線には絶対的な王者が不在。見通しは非常に明るい。

　このコンビには来年、要注意だ。