【天皇賞・秋】ゴール前大逆転 今年も伏兵が飛んでくる?

公開日:2019年10月24日 17:00 更新日:2019年10月24日 17:41

 秋の盾では人気薄の追い込み馬が幾度も波乱を演出している。

 古くは85年のギャロップダイナだ。1・4倍の断トツ人気に推されたシンボリルドルフをほぼ最後方から進めた13番人気の大穴が差し切り。単勝8820円の最高配当記録は今も残る。

 92年はレッツゴーターキン。1番人気はルドルフの息子トウカイテイオー。好位で進めたが、速い流れになり⑦着敗退。最後は34・2倍の11番人気が一気にかわした。

 近年では11年トーセンジョーダンが7番人気(33・3倍)、12年エイシンフラッシュが5番人気(16・6倍)、14年スピルバーグが5番人気(11倍)で先頭ゴールイン。いずれも4角では10番手以下だ。

 今年もカデナ、ユーキャンスマイルの末脚に要警戒。またまたゴール前の大逆転があるかも。

完全復活 カデナ

 カデナが長いトンネルから抜け出した。

 2歳秋に京都2歳Sで初タイトルを獲得。3歳春の弥生賞で連勝を決めた。ところが、3番人気の皐月賞で⑨着、ダービーも⑪着敗退……。その後も馬券圏内どころか、2年以上も掲示板に載れずじまいに。

 早熟タイプ? いや、そうではなかった。

 今春の福島民報杯で③着すると、夏は巴賞③着、小倉記念②着、新潟記念③着。いずれも道中は後方から進めて、直線では最速~2番目の末脚を繰り出し、上位争いを続けているのだ。

 中竹師は「ようやく良くなってくれたね。しまいの脚をしっかりと使ってる。前走でも57キロのハンデを背負いながら、あの位置からきた」と明るい表情で話す。

走っても走っても人気薄

 中間はミニ放牧を挟んでここへ。

 9月20日に戻り、乗り込みは順調。2週前には坂路4F51秒4の自己ベスト。きのうも同じく藤岡佑が騎乗して51秒4―12秒9で駆け上がった。ともに力のいる荒れた時間帯だけに価値が高い。

「今回の放牧明けはすごくいい。カイバをバリバリと食べて、ケイコもしっかりやれる。馬体の張りもいい。デビュー以来、一番じゃないかな」

 復活の最初3走は小回りコースでも、前走は直線の長い新潟だ。これなら東京も心配なし。

 ここ4走は11、9、6、8番人気だった。走っても走っても人気にならず、強力メンバーのここもほぼノーマーク。甘く見ると何とも怖い。

左回り巧者 ユーキャンスマイル

 新潟記念を制したのがユーキャンスマイルだ。

 4枠7番スタートからいつもの通り、末脚を温存する作戦。手応え良く4角を回ると、直線はインを突いた。

 残り2Fから岩田康が追い出すと、豪快に伸びた。1F過ぎで先頭に立つと、同じ勝負服のジナンボーの追撃を首差抑えてフィニッシュ。

 友道師は「レース前は二千は短いかと思ったけど、いい競馬ができました。もともと左回りは得意なんですよ。コーナリングも伸び伸び走れている」と振り返る。

 これで左回りは3戦3勝のパーフェクト。マラソンレースのダイヤモンドSだけでなく、中距離にしっかりメドを立てたのはいい。

 その後は放牧に出され、大一番を目標に。

ファイター岩田康とのコンビ

 9月19日に帰厩してこれまで同様、コース、坂路併用の仕上げ。先週はCウッド3頭併せでびっしり追われて最先着。今週は芝6F83秒6―38秒3、1F12秒0で最後は半馬身先着した。

「先週、岩田ジョッキーは“ちょっと重いかな”のコメント。で、芝で上がりをサッとやりました。“数段良くなってる”とのこと。2歳秋から走ってるけど、成長はゆっくりめでした。それが徐々に良くなってます」

 岩田康は今春のダイヤモンドSで初めてコンビを組んで、全能力を引き出した。前走を見ても、いかにも追えるファイターはぴったり。

 春の盾では⑤着まで。それだけに、燃えているのは間違いない。気迫あふれる追い込みを期待だ。

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