【天皇賞・春、ユニコーンS】栗東滞在から京都重賞へ 国枝厩舎の十八番パターンのサリエラ、サトノエピックに怖さあり
公開日:2024年4月24日 14:00 更新日:2024年4月24日 14:21
「女王杯の時はもうひとつかな、とも感じた。今回の方が状態はいい」(国枝師)
今週の京都競馬は、土曜に3歳GⅢのユニコーンS、日曜はGⅠ天皇賞・春が行われる。
西の2重賞にサリエラ、サトノエピックを送り込む関東の〝老舗〟国枝厩舎にちょっとした怖さがある。
その理由は、栗東滞在から重賞挑戦する点だ。同厩舎は、1989年の開業からGⅠ22勝を含む、重賞67勝を挙げる名門。GⅠウイナーは国内外でGⅠ9勝の名牝アーモンドアイを筆頭に10頭を輩出しているが、マイネルキッツ=09年天皇賞・春、翌年の3冠牝馬アパパネ=09年阪神JFに翌年の桜花賞に秋華賞、14年のダノンプラチナ=朝日杯FS。そして、先日の桜花賞を制したステレンボッシュと、4頭が栗東滞在で関西のGⅠを制している。
栗東トレセンで調整するメリットとは何か。日々、歩く長い逍遥馬道が基礎体力を高め、鍛えられることは、昨今の関東馬の栗東滞在が急増していることもでもよく分かる。同時に美浦からの長距離輸送するリスクを減らせることも兼ねている。
実際に、昨年は宝塚記念=イクイノックス、エリザベス女王杯=ブレイディヴェーグ、阪神JF=アスコリピチェーノに前記のステレンボッシュと関西馬同様の調整で関西GⅠを制してきた。この先鞭をつけ、また独自のノウハウを共有するスタッフを多く抱える国枝厩舎でもあるから、やはり怖さは増す。
話を戻して、天皇賞のサリエラは2度目の栗東滞在となる。初回は昨秋のエリザベス女王杯(⑥着)。当時は、トレセン入構で馬運車、厩舎関係者の通行量が多い通用門前の厩舎に入っていた。
この中間は、厩舎地区でスタンドから一番奥の場所。以前から国枝厩舎がよく滞在した「リー1」の出張厩舎にいる。
「女王杯の時はもうひとつかな、とも感じたけど、今回の方が状態はいいですね。カイバ食いや全体の雰囲気、落ち着きもあるからいいと思う」
別掲の最終追いを確認した国枝師も好状態にあることを口にした。
「長距離適性はあると思いますよ。この血統は成長があり、古馬になっていいところがあるから期待している。今回は豊君(武豊騎手)に乗っていただける。長い距離は騎手に寄ることが大きいから楽しみ」
武豊は〝平成の盾男〟と呼ばれ、89年のイナリワンから4連覇し、計8勝を挙げた名手。初コンビで余すことなく引き出してくるか。やはり、今回のサリエラは怖さがある。
「メンバーがグッと強くなるけど、そう差はない」(国枝師)
土曜、ユニコーンSのサトノエピックもトレーナーからは「メンバーがグッと強くなるけど、そう差はないよ。ちょっとやれていい」のひと言が出た。
芝でデビューして③②④着から、ダートに替えてあっさり2連勝。適性を示している。2走前は逃げて4馬身差なら、前走は馬群の中から割って出る競馬で勝ち切った。レースセンスの良さまで示してのV2だから指揮官のトーンも上がるはずだ。
Cウッドでの最終追いは僚馬サリエラを追走する形から外を回って首差先着。6F84秒4―37秒1、1F11秒7を馬なりでマークした。滞在の元祖・国枝勢が京都重賞をアッと言わしていい。