今年のブリーダーズCクラシックで連覇を狙ったフォーエバーヤングは⑤着に敗れた。
本命がソヴリンティだから「負けることも少なからずある」との見立てだが、それにしても……という結果である。
ただ、ある程度はラップで説明できるか。
今年は前半の半マイル通過が47秒64、千二は1分11秒43。一方、勝った昨年は競馬場が違うとはいえ、半マイルは45秒97で、千二は1分10秒48である。特に大きく違うのが2Fごとのラップで4つ目(およそ千二通過から千六まで)が25秒22で、ラストが24秒49の消耗戦。今年はアメリカのGⅠとしてはスローと言える流れで、フォーエバーヤングが得意とする我慢比べにならなかった。
そう、数字(道中のラップや勝ち時計)が変われば結果も変わるのだ。
そこで秋の天皇賞(写真)。今年のラップは12秒5―11秒2―11秒0で3F通過が34秒7。ここまでがかなり速い。
もちろん、過去にはこれより速かった年はいっぱいある。だが、今年はすでに馬場の悪化が見られた。9月に毎日降った雨の影響で生育、根付きが例年ほどではなく、先行した馬は徐々にスタミナを奪われていく。
それは6番手につけていたクロワデュノールも例外ではなかったか。
レースは完全に前崩れだ。勝ったダノンデサイルや、②着ネブラディスク、③着レガレイラ、④着タガノデュードはすべて4角10番手以降。⑥着シェイクユアハート、⑦着ジュンブロッサムも同様だから、9番手以内から⑦着以内というのはクロワデュノールしかいないことになる。
前半が速ければ、上がり、後半を要すのが普通だ。しかし、天皇賞はそうではなかった。
6F目(残り1000メートルから800メートル)こそ12秒1だが、そこから11秒8―11秒4―11秒3―11秒3のほぼ加速ラップ。後半の半マイルは45秒8と、むしろ後半の方が速いことに驚く。
かつて秋の天皇賞ではイクイノックスが1分55秒2という驚異的なレコードをマークした。23年のことだ。
前後半とも5Fが57秒台というのはラップ、数字の常識を飛び越えた思いだったが、4Fでは前半が46秒3、後半が46秒1だった。
ダノンデサイルが勝った今年は前半が46秒5、後半は45秒8。東京芝二千メートルで前後半とも46秒5以内というのはこのイクイノックスの天皇賞が初めてだったから、後半45秒台というのは衝撃的。形容するなら「ベリーベリー・レース」か。
2馬身半も突き抜けたダノンデサイルはもちろん強い。しかし、先行勢が次々と脚をなくした結果であるのも確かだ。
今回は残念ながら⑤着に終わったが、やはり最も評価すべきは0秒7差のクロワデュノール。もともと馬群を割るという器用な競馬をするタイプではなく、好位からねじ伏せるのが持ち味か。次はジャパンC。C・デムーロも今度は乗り方を変えてくるだろう。
月~金は麻雀、土日はウインズだった学生生活を経て、入社後は編集一筋25年超。2015年春は何と9週連続重賞的中の快記録も達成し、2016年は春東京でGⅠ4連勝も。馬場の傾向、ラップの分析に定評がある。毎週、目黒貴子さんとその週の重賞解説の動画も公開中。




























