【セントウルS】香港からの刺客ファストネットワーク買いか、消しか

公開日:2026年9月3日 14:00 更新日:2026年9月3日 14:00

 今年のセントウルSには香港からファストネットワークが参戦する。香港は言わずと知れた短距離王国。現在はカーインライジングが長期政権を築いている。その香港は9月になり、新シーズンがスタート。カーインライジングは早速、今週末6日のGⅢ香港特別行政区行政長官杯で始動。21連勝を目指す。

 そしてファストネットワークは矛先を日本へ。先月26日(水)に来日してその後は検疫のために三木ホースランドパークへ。31日(月)に阪神競馬場へと移動した。「到着した当初、少し落ち着かない様子でしたが、少しすれば落ち着いてくると思います」とはイブ助手だ。

 このセントウルSとスプリンターズSを2戦する予定で、短距離王国から久々にやって来た刺客となるのか。その可能性を探ってみる。

昨年の香港スプリントで③着の実績

 セントウルSに出走する外国馬は今回で4頭目だ。06年テイクオーバーターゲット、10年グリーンバーディー、11年ラッキーナインはすべて②着に好走。なお、グリーンバーディーは11年にも出走していて⑭着となっているが、これは4コーナーで斜行して降着処分を受けたもの。実際は4角10番手から末脚を伸ばして、4位で入線している。

 つまり、過去の3頭は〈0301〉。日本のGⅡではやはり侮れない存在ということ。では、その3頭と今年のファストネットワークを実績面で比較するとどうか。

 テイクオーバーターゲットは同年の豪州のGⅠ馬。来日前は英国で3戦して①③⑦着。勝ったのはGⅡだが、遠征実績があった。

 10年のグリーンバーディーはセントウルSの前にGⅠ勝ち。かつてシンガポールで行われていたクリスフライヤーインターナショナルスプリントを制しての来日だ。

 ラッキーナインはセントウルS出走時はまだ国際的なタイトルはなかったが、香港GⅠ勝ちはあった。

 では、今年のファストネットワークはどうか。

 GⅠ勝ちはない。それはカーインライジングと同じ路線だから仕方がない面はある。

 昨シーズンは11月のGⅡ香港ジョッキークラブスプリントで②着、GⅠ香港スプリント、今年初戦のセンテナリースプリントCでは③着。すべて勝ち馬はカーインライジングなのだ。重賞勝ちはGⅢしかないが、だからといって低い評価はできない実力馬である。

 しかも、香港競馬が開幕日とあってジョッキーの確保が難しい中、鞍上に迎えたのは日本競馬をよく知るレーン。テン乗りにはなるものの、マイナスに働くことはない。

初の海外遠征に加えてさらにいくつかの弱みも

 ただし、今回は克服しなければならない課題も多い。

 まずは海外遠征経験がないことだ。これまでのレースはすべて国内でのもの。全20戦を消化しているが、すべてシャティン競馬場である。ここが過去にセントウルSを使った馬と大きく違う点だろう。

 また、大レースの勝ち鞍がないことはすでに触れたが、唯一の重賞勝ちであるナショナルデーCは千メートルの直線競馬。この舞台では〈4011〉と強いが、千二で重賞だと勝ち切れていない。

 さらに今回、初体験となりそうなのが道悪だ。

 香港はあまり雨の多い地域ではなく、過去20戦のうち18戦までが良馬場。残り2戦が稍重であり、本格的な馬場悪化は経験がない。

 本来なら秋阪神開幕で究極のスピードレースとなるところだが、週末の西日本には台風24号が接近する影響で、金曜から大雨の予報が出ている。土曜、日曜も決してスカッと晴れることはなさそうな見込みだ。

 短距離王国のGⅠ善戦馬だけに警戒は怠れないのは間違いないところだが、今回に関しては克服しなければいけない課題もたくさん。果たして、ファストネットワークは日本の快速馬たちを蹴散らして、本番スプリンターズSの有力馬となるだろうか。

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