勝羽太郎 情報ノート

【勝羽の土曜競馬コラム・アルテミスS】

公開日:2025年10月24日 17:00 更新日:2025年10月24日 17:00

 先週の土曜、豪GⅠコーフィールドCが行われた。日本からはゴールデンスナップが挑んだ。進みの悪い⑭着に、陣営は馬場を大きな敗因に挙げた。気温が30度にも達する週半ばで、硬くなった芝へ多分に散水が行われたそう。日本以上に深いエアレーションも手伝って緩い馬場へ急変した。

 日本とは別物のグリップが利かない道悪だったという。田中克師は「チャレンジし、経験したことは厩舎にとって大きな財産。今後に生かしてこそです」と力が入っていた。

 この話で浮かぶのは、やはり凱旋門賞。秋雨の時季で日本で速く走る馬ほど、馬場適性が乖離する。やはり高い壁なのだろうか。

【東京11R・アルテミスS】 ◎はマルガ。お馴染み母ブチコの血統だ。

 この血統は面白く、男馬に出るとトモが薄く、牝馬は逆。ソダシ、ママコチャとボリューム感のあるパワフルタイプが生まれている。

 妹も同じだ。5戦無敗で桜花賞まで制した偉大な姉ソダシと同じ白毛だが、より白く映るのがこのマルガでもある。

 管理する須貝師にその旨をたずねた答えがこうだった。

「マルガの方が皮膚が薄いよね。その分、白く見える。ソダシはパワフルだったけど、マルガは走りがしなやかでシャープ。でも、筋肉があり、女の子らしくないんだよね」

 サラブレッドにおいて皮膚の薄さは質の高さを表す指標のひとつ。持つ良質な筋肉、新陳代謝の良さからくるもの。ビロードのようなしっとりとした皮膚を表す「濡れ馬千両」という言葉があるほどで、高い身体能力を持つ目安となる。

 実際に、マルガはデビュー戦の函館芝千八を逃げ切り、1分48秒1のレコードを記録した。これはコースこそ違えど、2戦目の札幌2歳Sで1分48秒2でレコード勝ちした姉ソダシを上回る時計でもあった。やはり先天的なスピードを持っている。姉も制したレースをあっさり勝っていい。

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10月25日(土)東京競馬場

勝羽太郎

 1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
 大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
 グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
 余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。

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