週末は凱旋門賞の柱づくりが仕事に加わる。もはや秋の季語で「今年はチャンス」などといわれてきたが、3頭すべてが前哨戦Vの年などはなかった。それだけにファンの期待は高いだろうが、異種格闘技戦で日本馬にはやっぱり打てない。現地の強力牝馬に◎――すでに心は決まっている。
【中山9R・芙蓉S】 前走レートの上位5頭はこうだ。
ロックターミガン 95
マイネルマスター 93
タイダルロック 91
ザーフィル 90
ウイナーズナイン 90
ロックターミガンのV2だ。
記録派からすれば文句なしの数字だったのが同馬の新馬戦だった。
中京二千メートル芝で2分1秒5。この数字自体は並でも、際立ったのは後半5Fの「58秒0」だ。
競馬場を問わずに2歳新馬の二千メートル戦でJRA史上最速が57秒7。勝ち馬はワグネリアンで、57秒8がマークされたのは04年12月の阪神。ディープインパクトのデビュー戦だ。58秒0はそんな名馬2頭の新馬戦に次ぐ記録である。
ちなみに後半58秒0以内の2歳1勝クラス以上でも歴代ではヴィクトワールピサの京都2歳Sや古くはダイナガリバーのひいらぎ賞など3鞍しかないほどである。
そんな数字の中、最後は流しながら楽勝の3馬身差は褒めるしかない。
530キロ台の大型馬でいかにも使って上積みがありそうなタイプ。距離も同じ二千メートル戦なら、ここも勝ってホープフルSへ進んでいい。
競馬初体験は90年。ノーザンドライバーが勝った11月デイリー杯3歳S当日だった。
友人に強引に連れられて訪れた京都競馬場。1点買いした最終Rで当時、枠連で1万6000円オーバーの的中。これが良かったのか、悪かったのか……。
そこから競馬にどっぷりで、なぜか本紙を打っていた薮中記者に憧れを抱くようになり、某外国語大学を卒業しながらも、いずれはこの人と働こうと決意。
仕事としての競馬場デビューはナリタブライアンが3冠達成を果たした94年菊花賞。馬柱デビューは翌年、タヤスツヨシがダービー制覇した週から。
そしてたどり着いたのは“レースレート”だ。強い①着馬もいれば、弱い①着馬もいるし、勝ち馬より強い②着、③着馬だっている。それをレースごとに数値化したレートを用いて予想を組み立てている。記録、数字好きの方はぜひ参考に。