「父は仏ダービー馬でも走るディープ系です」
先月24日の中京でデビュー予定だったキッコベッロが日曜阪神5R芝千八にスライド。満を持して出走する。三嶋牧場で育成を担当した藤井健太さんに聞いた。
「育成時代から乗っているときは人の指示に従順で求めたことを上手にこなしてくれますが、馬房で世話をしているときは若い男馬らしくやんちゃなところを見せます。傷腫れによるスライドもそんな一面が出たのだと思いますが、幸い軽くて何よりです」
母アマダブラム2はスキャットダディの血を引く米国産。その肌にスタディオブマンを配合し、この馬を受胎して牧場にやってきた。
「父は仏ダービー馬ですが、ディープインパクト産駒です。欧州のディープ系では、サクソンウォリアー産駒を手掛けていて、ディープの孫でも欧州らしい重さがありました。しかし、この馬は日本のディープ系らしいバネを持っていて、背中がいい。退厩時で520キロほどと大きな体でも、いかにもディープ譲りの形です。実際にスピード調教で走らせると、こちらが求めることを難なくこなし、負荷を強めても息の入りが早く、心肺機能が高い。操縦性がよく、かかることもない。走るディープ系で期待の一頭です」
1週前は栗東芝で川田を背に3頭併せの真ん中から馬なりで最先着。今週は鞍上の手が動くことなく坂路を4F53秒5―1F12秒4で上がってきた。陣営からは「芝の長いところが合いそう」と、早くも来春を見据えた声が聞こえるのも納得の器だ。