【札幌2歳S、紫苑S】重賞での単勝回収率332%の橋口厩舎が送り込むアーレムアレス、ダノンフェアレディ

公開日:2025年9月3日 14:00 更新日:2025年9月3日 14:00

今年は13勝中、4つが重賞勝ちで②③着なしの勝負強さ

 開業9年目の秋を迎える橋口厩舎。

 最高キャリアは昨年の33勝だが、今年は春にパンジャタワーでNHKマイルCを制して、JRA初GⅠ(18年にJBCスプリント勝ちはある)のタイトルを手にした。

 そのパンジャは先のキーンランドCも制し、栗東へと帰厩。秋の豪州遠征(①着賞金約5億円のゴールデンイーグル)へ向けて順調だが、今年の同厩舎はパンジャの活躍が示すように重賞での成績がいい。

 実際に、2025年シーズンの初勝利が中山金杯だった。アルナシームが差し切り、一年の計は〝金杯〟にありとなった。5月のエプソムCでは、セイウンハーデスが復活を告げるレコード勝ち。秋のビッグレースが楽しみとなる走りをみせた。この時点で6勝中2つが重賞Vで、そこからの3カ月でパンジャの2勝を合わせて現在は13勝中で4勝がグレードレースとなっている。それも重賞では②③着がなく①着のみ。延べ16頭出走での単勝回収率は332%を記録し、「単勝で狙え!」の厩舎となっている。

 今週末は土曜・札幌2歳Sにアーレムアレス、日曜・紫苑Sにダノンフェアレディと2重賞に出走させ、厩舎の感触もいいから注目だ。

アーレムアレスは「使ってめちゃくちゃ良くなりました」(橋口調教師)

 まずは、2歳アーレムアレス。

 ダートで活躍した姉アーテルアストレアの半弟で、父がリーチザクラウンからハービンジャーとなり、逞しい馬体の持ち主だ。

 姉とは違い、デビュー戦となった函館芝千八でいきなり結果を出している。好位インの3番手から外に出した直線はダイナミックなフォームで前の2頭を差し切り。ラスト11秒3で0秒3差と残り1Fから突き放した。

「馬体面、血統的に洋芝が合うと思い函館でデビューさせましたが、思った以上にセンスのよさを見せてくれました」

 管理する橋口師はこう回顧する。

 1週前は札幌芝で菱田騎乗で追われたが、5F58秒0、3F37秒7─12秒0で動けている。

「鞍上の感触もよく、使ってめちゃくちゃ良くなりましたよ。跳びが大きいので広いコースの方がより合っていると思います。重賞でも楽しみです」

「軌道に乗ってきた」期待馬ダノンフェアレディ

 一方、秋華賞トライアルのダノンフェアレディは、この世代の最初の新馬戦を勝った馬だ。

 その後の種子骨靭帯炎、エルフィンS(⑤着)でのゲート後手や、雨の稍重馬場での忘れな草賞(④着)で足踏みしたが、負けられなかったナツコクの一戦できっちり勝利し、秋につなげている。

 その前走の小倉芝千八は2番手からの抜け出し。1勝クラスの自己条件とはいえ、後続に2馬身差をつける完勝でもあった。

「以前は放牧先では馬体重が増えてもトレセンに入ると減ってしまっていましたが、体質がしっかりしたことで、前走あたりからカイバ食いがよくなった。輸送してプラス20㌔で、今回はさらい食欲旺盛。まったく減らないのでしっかりと乗り込める。軌道に乗ってきた感じ」

 中間は2、1週前とCウッド3頭併せを自身初めて2週続け、1週前は6F80秒7、3F37秒0─11秒7でフィニッシュ。併走2頭を4馬身近く突き放している。

「長く脚を使えるから中山は特性を生かせそう。権利を取って本番に向かえたら」と力が入った。あすの最終追い切り前に好気配が伝わってくる。

 2頭ともに厩舎が期待する素質馬。勝って重賞での単勝回収率をさらに上げてくるか。

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