【しらさぎS】チェルヴィニア主役は譲らない
公開日:2025年6月17日 14:00 更新日:2025年6月17日 14:00
2冠牝馬がマイルで復権
捲土重来を期してのGⅢ挑戦――。
チェルヴィニアは3歳だった昨年、オークスと秋華賞で牝馬2冠を達成。返す刀で牡馬や年長馬相手のGⅠジャパンCに挑んで④着と、「最優秀3歳牝馬」のタイトルを見事に獲得した。
明け4歳シーズンは前途洋々のはずだった。ところが、今年初戦のGⅡ京都記念で⑨着とつまずくと、続く国際GⅠドバイシーマCでも⑥着。ともに勝ち馬に1秒以上も離されてゴールと、栄華を極めてから、わずか半年で失意を覚えることになってしまう。
「そんなに悪い状態ではなかったのですが、“らしさ”がなかったですよね。前走は世界が相手ではありましたし……」と太田助手が言うように陣営も明確な敗因を掴めていないのが現状だ。
とはいえ、黙って時を過ごすわけにはいかない。
今回は阪神千六の新設重賞GⅢしらさぎSに矛先を向けてきた。
距離だけを見れば、同日に組まれている東京千八のGⅢ府中牝馬Sだろう。だが、こちらはハンデ戦。GⅠ2勝馬は、かなりの斤量を背負わされるはず。一方、しらさぎSは4歳牝馬は「55キロ」がベースとなり、牝馬GⅠ馬は2キロ増で57キロと、実績馬にも出走しやすい負担重量となっている。
今回の焦点はこれまで中距離路線を歩んできた馬が、桜花賞⑬着以来となるマイル戦である。
「最近はダラッとした走りになっているので、千六の流れで緩急がついた、メリハリのある走りができれば」と太田助手。今後に向けて、刺激を与える意味もあるだろう。
ここで何らかのキッカケを、復活の狼煙を上げたいところだが、やはりGⅠ2勝馬。役者の違いを見せつける走りを期待したい。