別掲の通り３連単は１５０万馬券のビッグ配当が飛び出したＮＨＫマイルＣ。この大波乱の要因は何だったのか。挙げるとするなら逃げ馬不在と馬場だったかも……。

　メンバーをみれば前走で逃げた馬がいなかったどころか、４角先頭だった馬さえいない組み合わせ。しかし、いざフタをあけてみれば上位人気馬はトップスタート。１番人気アドマイヤズーム、４番人気ランスオブカオスはばっちり好発を決めた。特にランスはスタート直後、ハナに立とうかというほどだった。

　そんな中、結局、ヴーレヴーがハナに立って、アドマイヤは楽に絶好位につけた。こうなると、ライバル勢も簡単にはレースをさせない。そのアドマイヤを視界に入れるようにランス、そして２番人気イミグラントソングも好位付けの競馬だ。

　ここまでならよくある形だが、前日にレコードも出た超がつく高速馬場。ジョッキー陣の意識も前がかりで自然とピッチが上がるうえに、アドマイヤへのライバル勢のマークも緩まなかった。

　ラップは上がりに上がって前半３Ｆ３３秒４。さらに、ちょうど半分の４Ｆ通過４４秒６は東京マイルで歴代最速タイにもなるほどのペースだ。

　こうなると、いかに馬場が良くても踏ん張れない。しかも、アドマイヤは落鉄のアクシデントもあったから、なおさらだろう。最後は差し、追い込み勢を呼び込み、大波乱となった。

　どの馬が先手を取るか分からない中で、結果はイメージとは逆の超ハイペース。終わってみれば逃げ馬不在の“ワナ”が存在していたのかもしれない。