中山金杯は売り上げ100億円超え 重賞の馬券が売れる条件とは
公開日:2025年1月9日 14:00 更新日:2025年1月9日 14:00
昨年の後半、JRAの馬券の売り上げは非常に好調だった。
〝世界一、馬券が売れるレース〟としても知られている有馬記念は、前年比0・9%増の550億8305万7100円。大本命だったドウデュースが取り消したにもかかわらず、微増だった。
オーラスのホープフルSはナント、31・6%増の185億5554万7700円。増加のパーセンテージでは、マーメイドSの前年比55・1%、府中牝馬Sの50・8%に次ぐもので、もちろんGⅠでは最高の数字だ。
その流れを受け継いだのが中山金杯。今年の売り上げは104億7138万8600円で、同レースとしては実に25年ぶりに100億円を超えたのだ。ちなみに、同日の京都金杯は77億円弱だった。
この金額はとにかく凄い。というのも、昨年はGⅠを除くと、100億円以上を売り上げたレースはひとつもなかったからだ。
確かに正月休みの最終日で日曜と好条件は揃っていたし、また今年はBコースを使用したとあって、出走可能頭数が18頭に。昨年まではCコースで17頭。たかが1頭ではないか、と思われるかもしれないが、意外と大きな違いなのかも。
ただ、頭数と馬券の売り上げは比例するのかというと必ずしもそうではない。昨年、GⅠを除いた全競走の中で、最も売れたのは11頭立て。コスモキュランダが勝った弥生賞ディープインパクト記念で、90億5305万3900円だった。
2番目以下も実は意外なレースが多い。
弥生賞に次いで売れたのは函館記念で88億3167万8100円。3番目は88億434万1000円で中山記念。こちらは好メンバーが揃い、GⅠにつながるGⅡと考えれば納得がいくが……。
そして4番目はマーメイドS。84億2413万700円だった。
5番目はフェアリーSで81億2467万4200円。スーパーGⅡと言われる札幌記念、阪神Cが60億円台だから、この結果はかなり意外にも思える。
ただ、この〝売れた〟GⅡ、GⅢは中山記念を除いて、共通項がある。それは同日、他に重賞がない日曜のレースということだ(中山記念の日は阪急杯がある)。
中でもマーメイドSはこの週、重賞がこの1鞍だけ。函館記念は前日に函館2歳Sがあるのみとあって、〝競合相手〟のいないレースは、自然とそこにお金が向かうということでもある。
今週の2重賞はフェアリーSが日曜、シンザン記念が月曜だ。さて、フェアリーSは昨年のような数字をたたき出すのだろうか、果たして。