勝羽太郎 情報ノート

【勝羽の土曜競馬コラム・ホープフルS】

公開日:2024年12月27日 17:00 更新日:2025年1月4日 11:08

 走る馬は自分で体をつくる。競馬サークル内でよく聞く話で、馬がレースへの調教過程を理解しているということ。レース当日は水、カイバも自分で調整するという。

 東京大賞典のフォーエバーヤングもそう。特筆すべきは水曜Cウッドでの3頭併せだ。抜け出す力強さが変わった。「気迫がすごかったでしょ。あれは前の他厩舎の馬までロックオンしていたから。あれが本来のフォーエバー」とは担当の渋田助手だ。前に1頭いた寺島厩舎のアーマルコライトも抜き去っての大迫力で、ラスト1Fは11秒5だった。

 翌朝、締まってアバラの浮いた馬体を馬房で見せてもらい、納得した。

【中山11R・ホープフルS】 今年の2歳王者決定戦は好馬体の持ち主が揃った。◎は武豊ヤマニンブークリエだ。

 首差勝ちの新馬戦に、黄菊賞は3馬身差②着。その戦績に派手さは全くない。それでも明らかに太く、緩い状態で外差しを決め、前走もまだ体を使えていない状態で連対した。33秒7と切れた勝ち馬に離されたが、その①着馬は次走の朝日杯FSで連対したミュージアムマイルだ。マイルでも33秒台の脚を使えた相手だから、これはタイプの差。使える脚の上限が違ったというだけ。自身も2分0秒5と十分速い時計で走っている。

「性格面で若さがあったけど、調教をやれば動く馬。脚は速いし、力もあると思う。伸びシロもありますね」は松永幹師。

 言葉通りに中間は3週連続でCウッド併走。自身初の負荷をかけられながら、いずれもラスト11秒台でフィニッシュだ。

 背中を使えるようになり、出なかった前肢が伸びる。ここに成長を感じた。時計のかかりだした中山なら――。武豊が平地全GⅠ制覇の金字塔を打ち立てる。

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12月28日(土)中山競馬場

勝羽太郎

 1974年、愛知県で生を受ける。名前の通りのザ・長男。
 大阪での学生時代、暇な週末は競馬場に通い、アルバイトをきっかけに日刊ゲンダイへ。栗東トレセンデビューは忘れもしない99年3月24日。毎日杯の週で、初めて取材した馬は連勝中だったテイエムオペラオー。以降、同馬に魅せられ、1勝の難しさ、負けに不思議の負けなしと、学ばせてもらったことは実に多い。
 グリーンチャンネルでパドック解説をさせていただいているが、パドック党であり、大の馬体好き。返し馬をワンセットで見たい派。現場、TV観戦でもパドックが見られなかったレースの馬券は買わないと決めている。
 余談だが、HTB「水曜どうでしょう」の大ファン。こんこんと湧き出る清水のように名言を連発する大泉洋氏を尊敬してやまない。もちろん、“藩士”ゆえにDVD全30巻を所持。

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