【阪神ジュベナイルF】信頼から得た3度目のGⅠ舞台 2連勝クリノメイで挑む〝代打〟荻野琢真

公開日:2024年12月4日 14:00 更新日:2024年12月4日 14:00

「メイの背中を知っているし、琢真は苦労人で頑張っている」(須貝調教師)

 自身3度目となるGⅠの舞台で渾身のエスコートをできるか。

 新馬、サフラン賞とデビュー2連勝中のクリノメイの手綱を取る荻野琢真だ。今回は急きょの〝代打〟騎乗となる。前2戦の鞍は佐々木。騎乗停止期間にあるため、36歳の中堅が抜擢された。

「北海道でウチの厩舎の馬もそうだけど、デビュー前にメイの調教をつけていて、背中を知っているから。それに、琢真は苦労人で頑張ってもいるからね」

 管理する須貝師はこう話す。厩舎が人手不足となりがちな函館、札幌の北海道開催での調教を始め、普段から積み重ねた厩舎との信頼関係から舞い込んだGⅠでの騎乗となる。

 荻野琢は2度、GⅠの舞台を経験している。初騎乗は09年の天皇賞・春であった。同年の日経新春杯を11番人気であれよあれよの逃げ切りを決めてアッと驚かせたテイエムプリキュア(⑱着)とのコンビで挑んだ。2度目は3年後でまたも同じ淀の天皇賞・春であった。勝ち馬ビートブラックのハナを奪い、10番人気で⑦着と入着に持ち込んでいる。

 今回はそれ以来となるGⅠでの騎乗。どう挑むのか。

「パワータイプなので荒れた芝も気になりません。調教で乗ってきた強みを生かしたい」(荻野琢騎手)

 クリノメイには2週前追い切りから乗り、コミュニケーションを図り、3週続けてCウッドで追ってきた。2週前はラスト1F11秒7、1週前も11秒2。けさも11秒3。440㌔台の牝馬とは思えない大きなフットワークで駆けている。

 荻野琢は感触をこう話す。

「デビュー前の函館での調教で乗り、いい馬だなとは感じていました。ハミの取り方やテンション面で少し若い部分もあるので、2週前から調教で工夫しています。跳びが大きく、バテずに走る。京都のワンターンは合いそうですし、パワータイプなので荒れた芝も気になりません。調教で乗ってきた強みを生かしたいですね」

 そして騎手の先輩でもある須貝師はこうエールを送る。

「勝ったら厩舎リーディング(現在1位)には大きな1勝になるからね。勝てと言ったらプレッシャーになるかな(笑)。それは冗談で、平常心で落ち着いて乗ってくれたら。相手は強くなるけど、レースでの乗り難しさはない馬だからね。一発狙ってきてほしい」

 今回は〝代打〟荻野琢だが、好走すれば主戦となる可能性がないわけではない。

「ボク自身、久しぶりのGⅠで気合も入りますね。乗せていただいたオーナーや須貝先生には感謝しています。結果で応えたいですし、ビシッと競馬しますよ」

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