ホースマン直撃

【木津の土曜競馬コラム・晩秋S】

公開日:2024年11月15日 17:00 更新日:2024年11月15日 17:00

 夏の函館で調教を見ていると、ひっきりなしにくるのが、関東は丹内騎手、関西は荻野琢騎手の騎乗馬。東西の調教番長と言っても過言ではないと思うほど、切れ間なくやってきます。

 西の番長である荻野琢騎手、通称“オギタク”は須貝厩舎を筆頭に友道厩舎や池江厩舎といった西のトップステーブルの調教を任されることも多く、かつてはゴールドシップやジャスタウェイの追い切りにまたがったことも。調教技術の高さは疑う余地がありません。

 レースでは有力馬の騎乗が多いとは言えない中でも、馬乗りの巧みさを生かして少ないチャンスをしっかりモノにするイメージです。

 09年には日経新春杯で11番人気のテイエムプリキュアで果敢にハナを奪い、そのまま押し切って馬単4万1360円の大波乱を演出しました。

 そんな荻野琢騎手と夏以来、再会したのは10月19日の東京競馬場。神無月Sで0秒3差③着と見せ場をつくったネッケツシャチョウのレース直後。

「体は増えていましたが、骨格からしたらもっとあってもいいぐらい。しっかり乗り込んでいたし、影響はなかったですよ。それよりも外枠が響いた感じも。もう少し前めのポジションがほしかったんですが、スタートでつまずいたし、内の馬たちが速くて思ったよりも後ろに。それでも、頑張って脚を使って押し上げてくれました。また来月、東京に来るのが楽しみになりました(笑)」

 そう笑顔で振り返ってくれました。

 心待ちにしていた土曜東京10R晩秋S。中間の調整過程も含めて問い合わせると、いろいろと教えてくれました。

「今週の追い切りは坂路で。輸送もあるし、1週前にコースでしっかりやってるので、息を整える程度で。追い日の次の日もまたがったんですが、いい雰囲気でしたよ。上積みはありそうですね。体もさらに増えて丸みが出てきました。一歩ずつ着実に上がってきているので、先月よりもさらに楽しみが広がりました」

 明るい声色から期待値の高さは明らか。ここは決めてくれると踏んで◎を打ちます。

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11月16日(土)東京競馬場

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木津信之

「ベガはベガでもホクトベガ!」
 93年エリザベス女王杯でホクトベガが①着でゴールに飛び込んだ瞬間の実況です。当時、浪人生でフラフラしていた自分にとっては衝撃的であり、今でも予想の根底に根付いています。
 ベガはバリバリの良血馬で鞍上が武豊。牝馬3冠にリーチをかけていました。対して、ホクトベガは父がダート血統でベテランの加藤和を配したいぶし銀のコンビ。春2冠でベガに大きく後塵を拝したホクトベガに勝ち目はなさそうでしたが、見事にリベンジ。この“逆転劇”こそが競馬の醍醐味ではないでしょうか。
 かつて作家の寺山修司氏は「競馬が人生の比喩なのではない、人生が競馬の比喩なのである」と評したそう。馬も人も生きている間はいつかの大逆転を狙っています。雑草でもエリートを超えるチャンスはあるはずと、きょうもトレセンを奔走しています。

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