【エリザベス女王杯】圧倒的1番人気レガレイラはなぜ馬券圏外に消えたのか
公開日:2024年11月11日 14:00 更新日:2024年11月15日 11:07
これもまた競馬。とはいえ、かなり後味の悪い結果となってしまった。
単勝1・9倍の断然人気に推された3歳馬レガレイラは不運が重なり、力を出せないままの⑤着止まりだった。
一番初めの枠入りにもかかわらず、課題であったスタートは決まった。そして、横の馬に寄られて接触しながらも、二の脚をつけて流れに乗る、序盤はこれまでにない最高の形だった。
この時点で大多数が勝利や好走を確信したかもしれない。だが、好事魔多し――。
鞍上ルメールが取ろうとしていたのは勝ったスタニングローズの後ろ。だが、1角の入りで、前に1頭入られてしまう。
そこから歯車が少しずつズレ始め、道中は8番手追走も②着となる川田騎乗のラヴェルにずっとフタをされる形で、外に持ち出す機会さえ与えられず、そのまま直線へ。
ラヴェルはスムーズに馬場のいい外に展開すると脚を伸ばしていく。一方、後手に回ったレガレイラは内を選択せざるを得ない状況に。
さらに直線は最悪の事態を迎える。4頭が接触する不利の中心となってモミクチャになり、人馬ともにそこからは無理をしなかった。
結局、ムチが入ることはなく、軽く促すだけで前をかわしての⑤着。しかも、ゴール地点では最内の馬場が一番悪い位置を走っていた。名手らしからぬ、進路選択ミス。そうせざるを得ない状況に陥ってしまった。
「クリスチャン(スタニングローズ)の後ろにいたら絶対にいい競馬できました。アンラッキー」とはルメール。だが、レース後、“十分な間隔がないのに先行馬を追い抜いた”としてルメールには過怠金5万円が科せられることとなった。
とはいえ、GⅠ馬が自身を含めて2頭、今年の重賞勝ちも3頭しかいない、やや低調なメンバーということもあり、過剰人気だったか。
スケールの大きさは間違いないが、現状、そのポテンシャルに体が追いついていない現実もある。
また、能力を発揮するには条件がいろいろと噛み合わないといけない。絶対的な女王に君臨するには時期尚早だったのかもしれない。