【秋華賞】2冠達成のチェルヴィニアは〝幻の3冠馬〟と言われる馬となるか──。

公開日:2024年10月14日 07:00 更新日:2024年10月14日 07:00

カワカミプリンセス、アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドらの名牝に並ぶ記録

 24年の牝馬3冠目を制したのは、樫の女王チェルヴィニアだった。

 上がり34秒2の脚で1馬身3/4差。まさに完勝での2冠達成を決めた。先行馬の少ない組み合わせでもあったが、レースは予想外に流れた。セキトバイーストが飛ばして前半5Fは57秒1のハイラップを刻む展開。2番手は約1秒5と離れた位置にクリスマスパレードで、さらにそこから1秒後方に後方集団が固まる展開となった。

 ルメール=チェルヴィニアはその中の8番手。約1分前後でレース後半へ折り返したが、馬群の中でも折り合いをつけ、余裕のある追走ができていた。

「最後にスムーズな競馬ができたら、前の馬に届くと思った」とは鞍上だ。

 直線入り口からやや進路を探す形とはなったが、前が開いた残り300㍍から一気に加速。期待どおりにズバっと突き抜け、残り100㍍では勝負を決めていたから、まさに実力が一枚上の内容だった。

 外から差し切った春のオークス、この秋華賞での強さを見ると、⑬着と敗れた〝桜花賞を勝っていれば〟と考えてしまう方も多いだろう。リバティアイランドに続く8頭目の3冠牝馬になった可能性も──。タラ・レバの話もしたくなる強さだったが、今回は、春⑬着の惨敗から立て直して2冠目を勝利。ぶっつけ本番で秋も制した木村厩舎の手腕を褒めるべきだろう。同時に、チェルヴィニアはやはり距離はあった方がいいタイプなのだ。

 桜花賞の2ケタ敗戦からのオークスでの巻き返しVはメイショウマンボ以来で、樫Vからの秋華賞直行で制したのはカワカミプリンセス、アーモンドアイ、デアリングタクト、リバティアイランドに続く5頭目の記録。まだまだ成長する可能性を秘めた中での2冠達成は女傑、名牝への道に乗った印象がある。果たして、どこまで伸びるのか。今後、GⅠ勝利を重ねて、〝幻の3冠牝馬〟と言われるような馬となることに期待を抱かせる勝利であった。

「いいポジションを取れたので向正面で喜びました」(ルメール騎手)

①着チェルヴィニア(ルメール騎手)
 凄くうれしいですね。京都のGⅠはボクに取って大事。いい天気でお客さんが多い中でいい競馬を見せることができた。凄くうれしいです。内回りはトリッキーなコース。いい騎乗するには気をつけていました。今週の馬場は速く、いいポジションを取りたかった。リードホースの後ろにいたかったです。5番枠でいいポジションを取れたので向正面で喜びました。

 乗りやすい馬で自分のリズムで走れて、ちょうどよかったです。チェルヴィニアの最後の脚をよく分かっているので、最後にスムーズな競馬ができたら、前の馬に届くと思った。直線でチェルヴィニアは加速してくれ、早めに勝つことを感じました。まだ、よくなってきたみたい。返し馬から凄くいいストライドを見せた。体も大きくなった。まだ、二千~二千四百メートルのGⅠでいい競馬ができると思います。






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