「康太は２３期の中で宝物です。本当にお疲れ様」

　藤岡康太騎手のＪＲＡ・日本騎手クラブ合同葬では、競馬学校の同期代表として浜中俊が涙ながらに弔辞を読み上げた。

「康太、きょうはこんなに沢山の方が集まってくれてよかったな。一般のファンの方も来てくれたみたいで、本当に良かったな。先程さ、丸田が食あたりになったらしくて、あいつきょう、来れてないんだよね。ありえないと思い、説教してやろうと思ったけど、あいつはきのう、福島のメインレースでお前が乗っていた馬に乗って、しっかりと勝っていたよ。めちゃくちゃ格好いいレースをしていたよ。だから、きょうはそのことを許してあげよう。

　多分康太はオレが弔辞を読むことになったことを凄く心配しているんじゃないかと思うけど、しっかり最後まで聞いててな。

　康太とは競馬学校で１５歳の時に出会って、それから２０年立つかな。オレの中では康太が一番の親友であり、ライバルでもあり、本当に特別だった。誰にでも優しくて気配りもできて、本当に康太の周りにはいつも人が集まっていて人気者だったよな。そんなところが康太の最大のよさだったんじゃないかとオレは思ってる。

　康太はデビューから本当に華があったし、初騎乗初勝利して同期で一番最初にジョーカプチーノでＧⅠを勝って、その時に勝利ジョッキーインタビューで「帰ってカプチーノ飲みます」とか言って凄く滑って。だけど、そんな面白さとやっぱり華があったよね。

　特に、去年のナミュールで勝ったＧⅠのレースは急遽の乗り替わりだったけど、素晴らしいレースだったし、見事、勝利して。あれは康太じゃなきゃ勝っていなかったと思う。本当に嬉しかったし、誇らしかったです。

　もっとジョッキーを続けたかったよなあ！　康太が一番悔しかったと思うし、もっともっと活躍すると思ったし。だけど、康太の分はオレ達２３期がしっかり頑張るから。奥さんや子供の分も頑張るし、オレ達が絶対に助けるし、見守っててな。
　
　本当に、本当に合えてよかった。康太が同期でよかった。今までありがとう。今まで仲良くしてくれてありがとう、康太は２３期の中で宝物です。本当にお疲れ様」