【阪神ジュベナイルフィリーズ】レースレコードで無敗の戴冠 アスコリピチェーノは真の女王か、それとも…
公開日:2023年12月11日 14:00 更新日:2023年12月11日 14:00
日曜に行われた2歳女王決定戦、GⅠ阪神ジュベナイルFは単勝10倍以下が6頭も並ぶ大混戦。勝ったのは3番人気でGⅢ新潟2歳Sを制していたアスコリピチェーノだった。
陣営は苦手な瞬発力勝負を避けたかった。レースの上がり5Fが12秒0―11秒8―11秒3―11秒4―11秒7と長く末脚が求められる、おあつらえ向きの展開に。直線半ばで先頭に立つと、最後までしぶとく伸び続けて、②着ステレンボッシュを首差抑えて、うれしいGⅠ勝ちとなった。
勝ち時計の千六1分32秒6はレースレコードのおまけ付き。これで3戦無敗で女王の座につく形に。
新馬戦は上がり最速の脚で差し切り、続く新潟2歳Sはポジションを取っての好位抜け出し、そしてこの日は中団からの競馬。どんな形でも対応できるセンスの良さがこの馬の強みだろう。
そして、食欲旺盛な点も見逃せない。カイバ食いが落ちないから、攻められる。加減せずに負荷をかけられるから肉体が強化される好循環を生む。これは、牝馬にとっては重要なファクターのひとつである。栗東入りで調整して、環境の変化にも動じない精神力、適応力とともに大きな武器となった。
今後は来春の桜花賞を見据えていく。
昨年①着のリバティアイランドを筆頭に、ソダシ、ソウルスターリングなど近年の勝ち馬は翌春のGⅠでも勝利を飾っている。記録面も含めれば、前途洋々にも見える。
とはいえ、今回、出走予定だったGⅢサウジアラビアRC②着馬ボンドガールは週中に回避。その前に自重していたGⅢアルテミスS勝ち馬チェルヴィニアといった、GⅠ級の馬とは未対戦でもある。これらと激突していく桜花賞戦線がこれでグッと面白くなる。そんな勝ち方だった。