②③着に食い込んだのはともにディープインパクト産駒。春の天皇賞馬ジャスティンパレスが②着で、札幌記念勝ちのプログノーシスが③着だった。

　両馬ともにスタートがやや決まらず道中は後方から。千メートル通過５７秒７のハイペースを無理に追い掛けなかったことも功を奏したのかもしれないが、ラスト３Ｆはジャスティンがメンバー最速の３３秒７で、プログは次位の３３秒９。３３秒台をマークしたのはこの２頭だけだった。

　イクイノックス以外の先行馬が総崩れする中、ディープ産駒らしい決め手をフルに発揮してみせたといえよう。

　ディープ産駒は芝コースでは東京コースで最も勝ち鞍を挙げているように、軽い芝での時計勝負は大の得意。とはいえ、１分５５秒２と究極の時計勝負の中、出走した産駒２頭がきっちりと馬券圏内を確保するあたり、さすがの底力といったところだ。

　今回に関しては勝ち馬が規格外すぎたが、それでもジャスティンは単なるステイヤーではなく中距離のスピード勝負でもやれることを証明し、プログも国内ＧⅠ初挑戦なら上々の内容。

　今年の３歳世代がラストクロップで頭数が少なくなってきたディープ産駒だが、やはりここ一番の大舞台では頼りになる存在だ。