デットーリ引退撤回、アメリカ移籍でますます遠くなった再来日の可能性
公開日:2023年10月19日 14:00 更新日:2023年10月19日 14:25
先週の木曜、競馬ファンの誰もが驚くニュースが飛び込んできた。
今年が現役最後の年になるといわれてきた“フランキー”こと、ランフランコ・デットーリが自身のX(旧ツイッター)で引退を撤回。来年も現役を続行し、アメリカをベースに騎乗することを発表したからだ。
デットーリは誰しもが認める世界一のジョッキー。GⅠ勝利数は250以上で、日本でもGⅠを4勝している。
「23年が現役最後のシーズンとなる」と発表したのは昨年12月。今月21日のチャンピオンズデーが英国での最後の騎乗になり、今年は11月3、4日にサンタアニタパーク競馬場で行われるブリーダーズカップの騎乗で現役を終える、としていた。
次に豪州の「メルボルンカップを最後にする」とわずかながら延期。今年は11月7日に施行される現地では最も盛り上がるレースに参戦すると発表した。
デットーリがメルボルンCにこだわるのには理由がある。
93年に初騎乗。99年セントラルパーク、2015年マックスダイナマイトによる②着が最高で、これまで17回も乗りながら未勝利のビッグレースだからだ。「メルボルンCで優勝してキャリアを終えることができれば」ともコメントしていた。
ところが、ここにきての急な再度の現役延長である。24年はカリフォルニアをベースに騎乗。12月には移住するようだ。
欧州から米国にベースを移して成功したジョッキーは珍しくない。
16年にブレークしたフラビアン・プラはフランスから移籍。昨年はメトロポリタンH、パシフィッククラシック、BCクラシックとGⅠ3連勝で引退したフライトラインの主戦だ。
また、日本で11年の高松宮記念をキンシャサノキセキで制したウンベルト・リスポリはイタリアからフランス、香港を経て19年末に米国へ移籍。GⅠ勝ちを重ねている。
しかし、ここまでのビッグネームが移籍するのは超レアケース。当面の目標はケンタッキーダービーに騎乗し、そして勝つことのようだ。
どこであれ、レジェンド・ジョッキーの現役続行はうれしい限り。ただ、残念なのはその視線に日本が入っていないこと。今年のジャパンC参戦プランも、短期免許での騎乗も予定されていない。
また、米国でダート中心の騎乗となれば、お手馬での日本参戦も考えづらいし、欧州と違ってシーズンオフもない。本当にムチを置くまでに日本に来てくれることはあるだろうか。